■リスナー獲得のために奔走

――どのラジオも、パーソナリティとリスナーの関係性も素敵な印象です。『今なに』にもラジオ界で名の知れたメール職人の方が大喜利投稿コーナーに参加していたり、早くも良い関係性が出来つつあるのではないでしょうか?

ラジオを聴くのって、YouTubeよりもハードルが高い感じがあるじゃないですか? なので、一回リスナーになってくれた人は、こっちが振り払わん限りは聴いてくれる気がしていて。毎週Twitterでラジオの振り返りをしたりするスペース(音声配信)をやってるんですけど、そこに毎回集まってくれる50人ぐらいのリスナーさんは絶対に……“ズッ友”だよ?

――記事を通して、リスナーと約束を(笑)。スペースで常連リスナーとの絆を深めながら、新規リスナー獲得のためにマッチングアプリ「Tinder」も活用されています。恋人や友だちを探している人の中に、“ラジモク”(ラジオ目的)の相手を探している好井さんのプロフィールが出てくるってことですよね?

今日も朝の8時くらいからメッセージのやり取りしてました。今日の朝来てたのは、「おはようございます! プロフィールの“ラジモク”に惹かれました。よろしくお願いいたします」っていうメッセージで、それに「応援よろしくお願いします!」って返信をして。「お忙しいなか、ご返信ありがとうございます」って返ってきたんで、ここからスタートです。どうやってリスナーになってもらうか……。

――そこからラジオを聴いてもらうまで何か戦略はあるんですか?

まずは、できるだけ定型文で返さないことですね。「○日に収録があるんで、○日までにメールを送ってください」とか、「ポッドキャストはちょっと他の芸人に負けてるんですけど、YouTubeは好調なんで、YouTubeで聴いてみてください」とか。

――なんていうか、どんな出会いの目的でも結局は誠意が大切なんですね。マッチングアプリで返信率を上げるテクニックとして、定型文を使わないことが大事だと聞いたことがあったのですが、全く同じだなと。

そうかもしれません(笑)。相手と真摯に向き合うっていう、ちゃんとマッチングアプリやってます。今は、このラジオを終わらせないために活用できそうなものは何でも使っていこうという、恐る恐る動いてることではあるんですけど、もし安泰の状態になっても、何か1エピソードできるまではTinderも続けたいですね。

――「絞り出し大喜利」のコーナーでは、年間を通して最優秀回答をしたあかつきには、好井さんが叶えられる限りのことを叶えるというご褒美も。

もしラジオが半年で終わってしまっても、YouTubeで実現させようと思ってて。今日の放送で、俺スナっていうリスナーが暫定1位って言ってたんですけど、「何を叶えてほしい?」というのも大喜利なんです。でも、「誰かに会いたい」っていうのが一番面白くなりそうですよね。僕は他の芸人さんよりも幅広く仕事してるんで、「誰かに会いたい」は頑張れるし、例えばドラマでも共演したことのある香川照之さんとか竹内涼真くんに交渉の電話するところから企画にできたら、面白いと思うんですけどね。


好井が15年にわたり力を注ぎ続けた漫才師時代の葛藤、自身にとって“神様”とも言える存在である千原ジュニアとの秘話などについて聞いたインタビュー後半は後日公開予定。

■プロフィール
好井まさお
1984年4月27日生まれ。大阪府枚方市出身。NSC東京校を卒業後、2007年に井下昌城(現 井下 大活躍)とお笑いコンビ「井下好井」を結成。2009年、『M-1グランプリ』準決勝に進出。2017年、フジテレビ系バラエティ番組『人志松本のすべらない話』でMVSを獲得した。俳優としても活躍しており、主な出演作にドラマ『火花』(16・Netflix)、『小さな巨人』(17・TBS系)、映画『ザ・ファブル』(19)などがある。2022年12月31日をもって、井下好井を解散。現在はピン芸人として、3つのYouTubeチャンネル『好井&カナメクト』『好井まさおのトークを浴びる会』『好井まさおの怪談を浴びる会』を運営するほか、TBS Podcast『N93 好井まさおの「今、何してる?」』でパーソナリティを担当している。