また、1話の放送を見終わったときに芽生えた思いも明かした。

「水も食料もないというところから、今あることがどれだけ幸せなんだろうということを思い出してほしいと思ったんです。そして、そういった願いや祈りみたいなものを、これから先、お芝居に込めていこうと。世界が平和になってほしいというテーマのものであれば、それを祈りのように込めていこうと思いました」

そして、作品に祈りを込めた結果、「僕には何ができているんだろう」という疑問も浮かぶと言い、本作が完結したときも「僕に何ができたんだろう」と考えることになると予想する。

また、この作品に携わって幸せだなと感じた瞬間は「温かい人たちに触れられたこと」だと言い、温かさに触れて大切な気づきがあったという。

「キャストのみんなもスタッフさんも、撮影が大変なときに『大丈夫?』と声をかけてくれたり、『撮休の日に大河(の撮影)だったんでしょ?』と、いろんな人が心配してくれて。人の温かみに触れて、主演がこんなに心配させちゃダメだな、みんなが『この人楽しいな』と思える人じゃないとダメだなとも思いました。それは僕の唯一の盲点だったというか、頑張っていればいいというものではないんだと気付かされました」

そして、「本当の自分の幸せを確かめようと思わせてくれたことに、すごく感謝と幸せを感じます」としみじみと語ったが、今はまだ全力モード。

「『ペンディングトレイン』と大河ドラマは全力で生き抜き、今まで通り魂を燃やし続けようと思っています。僕は『あしたのジョー』の“燃え尽きたぜ”の人や、煉獄さんです(笑)。“私は私の責務を全うする”“心を燃やせ”ということをやっています」と、最後には『あしたのジョー』の矢吹丈や『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎に例えて笑いを誘っていた。

■山田裕貴
1990年9月18日生まれ、愛知県出身。ワタナベエンターテインメント所属。2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』ジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で俳優デビュー。以降、ドラマ『特捜9』シリーズ、『なつぞら』、『ここは今から倫理です。』、『ちむどんどん』、『女神の教室~リーガル青春白書~』、映画『HiGH&LOW』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズ、『燃えよ剣』、『夜、鳥たちが啼く』などに出演。現在TBS系金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演中。

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