回を重ねるごとに絆を深めている直哉と優斗のバディ感も魅力だが、優斗役の赤楚について山田は「セリフがないときの表情が素敵だなと。もちろんセリフがあるときもそうですが」と称える。
「赤楚くんと話し合って、僕も赤楚くんも直哉と優斗の両方の面を持っているとわかり合えたくらい心の奥底でつながれて、だからこそ優斗の影を感じるときの彼の表情はすごく素敵だなと思います」
そして、赤楚について「俳優としてではなく人としての心を開いてくれた」と話し、芝居ではない本物のバディのような関係が築けたと語る。
「今まで生きてきた環境など人生について話し合ったときがあって、愛や孤独に対する感覚が僕と一緒だったんです。非常に深いところつながれて、彼が『この作品で山田くんに出会えてよかったです。こんなに素を出したことはないです』と言ってくれたことが、お芝居を超える、お芝居でどれだけ作ろうとしても作れない本物のバディにたどり着くきっかけをくれたような気がしていて、すごくうれしかったです」
高校の体育教師・畑野紗枝役の上白石萌歌については、「6話で船に閉じ込められたときの叫びが本物だった」と言い、「7話で抱きしめられた後、紗枝の腕をつかむと台本に書いてあったのですが、つかむかつかまないかプロデューサーさんと大論争に(笑)。僕は『もう二人はくっついたんだ』とならないほうがいいと思い、つかまないほうがいいと提案しました」とバックハグシーンの裏側も告白。「紗枝とは、恋なのか愛なのかというシーンがこれまで沢山あったので、『よく頑張った』と言ったあとの紗枝の顔や、そのあとに安心して泣き崩れるところなど、いろんなところを思い出します」と振り返った。
そのほかにも、大学院生・加藤祥大役の井之脇海、ネイリスト・渡部玲奈役の古川琴音、専門学校生・米澤大地役の藤原丈一郎(なにわ男子)、医者志望の受験生・江口和真役の日向亘、和真の恋人で同じ高校に通う佐藤小春役の片岡凜、サラリーマン・田中弥一役の杉本哲太、キャリアウーマン・寺崎佳代子役の松雪泰子など、個性豊かなキャラクターが物語を彩っている。
山田は「加藤が『もしここに残るんだったら生きて生きて生き抜いてほしい』と玲奈に言うところがすごく好きで、玲奈もずっとツンケンしているけど紗枝に水を渡しに行こうとして行けず、本当は寂しいんだなと思わせるシーンも。哲太さんは、世界観を壊さない範疇で自由に泳ぎ切っているところにベテランの妙を感じるし、松雪さんにセリフを語らせたら説得力半端ない。また共演できてうれしいです」とキャラクターやキャストの魅力を語っていく。
「藤原くんも、演技をまだ始めたばかりと言っていたのですが、よくあんなにも想いのこもった涙が出るなと。心の人だと思いました。いろんなお話を聞きましたが、今の立ち位置に至るまでにも苦労を重ねてきて、だからこそ人の気持ちがわかる人なんだなと。今では、赤楚くんと藤原くんが一番連絡をくれます。 “こはかず”(小春と和真)もすごく考えてやっているし、おじいちゃんおばあちゃんグループも好きなんです。あと小森さん。愛すべきみんなです」
さらに、「レギュラー乗客の方たちも、一番早い時間に入って、一番長い時間待って、協力してくださっていました。すべての人に感謝を伝えたいです」と感謝を述べた。