番組作りにおいて、「“知らない”を“知っている”に変える」ことに、常にこだわっているという山本D。その背景には、「『ウォーターボーイズ』を見て、男子シンクロのモデルになった高校で3年間シンクロに没頭しましたし、海外ロケ番組を見ていたら、“世界って本当知らないことばっかりだなぁ”と、今では世界を旅するのが大好きになっています」という自身の経験がある。
情報番組を制作する部署に所属しながら、2年前にもバラエティの特番『エモろん ~この論文、エモくない!?~』を演出するなど、ジャンルの壁を越えて取り組むのは、そのこだわりが反映された結果だ。
「情報番組は、今世の中に起きていること・ニュース性のあるものを紹介するものだと思うのですが、ニュース性がなくても『“知らない”が“知っている”に変わる』ことは驚きやワクワクがあります。『エモろん』は、知らなくても生きていけるけど、知っていたらなんか面白いよね!と思うことを扱った番組だったのですが、ニュースの枠を超えて『“知らない”を“知っている”に変えたい』を共有したいということで、バラエティ番組として企画しました」
また、「特に『Mr.サンデー』は、ディテール取材にこだわる番組なので、どれくらいそこで培ったものがあるか分かりませんが、今回の番組でもその取材力を生かすことができたと思います」と、情報番組でのスキルが発揮されている。
■“遠いもの”が見せられるのがテレビの魅力
現在29歳で、“テレビ離れ”とも言われる世代の山本D。その中で、テレビの世界を志望したのは、「学生時代、スイスの大学に留学していたときに、物価が高くてお金がなかったので、ロケのコーディネーターのアルバイトをしてたんです。テレビ番組の仕事ももらって、普段見られない場所に行ったり、普通の人が聞けないような情報を聞いたり。実際にディレクターさんと1週間くらい過ごすのですが、テレビを見てくれる人のために分かりやすく伝えようとするその姿に、素敵な仕事だなと思いました」という経験があった。
それを踏まえ、「“テレビジョン”のテレは“遠い”、ビジョンは“見る”で、遠くを見せるのがテレビですが、物理的な意味だけではなく、いろんなハードルによってなかなか見られないようなものまで、テレビならば届けられるという意味でも“遠いもの”が見せられる、というのがテレビの魅力だと思います」と、力強く語ってくれた。
そんな山本Dに、今後作っていきたい番組を聞くと、「一貫して変わらないのは、『ジャンルを問わず、人が知らないことを番組にしていきたい』ということです。今、とあるドキュメンタリー番組を作っているのですが、日本で生きていたらなかなか知ることのないことが知れる番組になると思っています。あと、バラエティでいうと海外ロケ番組を作りたいです。海の向こうには知らないことがたくさんあるし、何度行っても学びがあるなと。僕自身、テレビを見て海外に行きたいと思うようになったので、同じように見てる人が海の向こうの知らない世界に魅力を感じて、日本を飛び出したくなるような、そういう番組を作りたいです」と意欲を示した。
●山本将寛
1993年生まれ、埼玉県出身。上智大学卒業後、17年にフジテレビジョン入社。レギュラーでは『直撃LIVE グッディ!』『バイキング』『めざましテレビ』『Mr.サンデー』、特番では『FNSドキュメンタリー大賞「禍のなかのエール~先生たちの緊急事態宣言~」』『エモろん ~この論文、エモくない!?~』などを担当する。