今作は、原作者の福田秀氏、ドラマ監修の上野豪氏の意見やアイデアを取り入れつつ、最後は脚本家とプロデューサーと徹底的に議論してストーリーが作られている。

「どんなに細かな疑問点なども、福田先生と上野さんが丁寧に回答してくださったり、『ここはこうしたほうがいいのでは?』など面白いアイデアをたくさん頂いたりと、ここまで密に、原作サイドとスクラムを組んで脚本開発させてもらえるのは少ないのではと思います。『スタンドUPスタート』というチームとして作っている感じがしました。個人的にはドラマもバラエティも1人で作っているわけではないので、一緒に仕事をしている皆の意見を聞きたいし、皆がやりたいこと、表現したいことを僕は信用しています。そうやって出来上がったものが、自分の想像を超えるものになったりするので、とても楽しいです」

三星大陽のオフィスを作るにあたっては、福田秀氏に相談。イメージは、「『アイアンマン』のトニー・スタークの秘密基地を目指している」という言葉を得て、遊び心いっぱいのオフィスが誕生した。

そこにあるアーケードゲームは実際に遊べるほか、声だけが登場する大陽の専属秘書・M(雨宮天)の湾曲したモニターなど工夫を凝らした。バーカウンターやソファーも設置したことで、皆が集まってくるシーンが撮影できるため、ドラマオリジナルの場面も数多く生まれた。

  • (C)フジテレビ

ちなみに、このオフィスで繰り広げられた、音野奈緒(安達祐実)のパンチでグローブを持った林田利光(小手)が吹っ飛んでいく“破壊神”のシーンは脚本上になく、現場を指揮する演出の瑠東東一郎氏のアイデアから生まれた。音野のパンチ力を表現する数字の「38%」「42%」というセリフもアドリブだという。

「なぜ、38、42という数字に安達さんがしたのか分からないですが、今後も現場で生まれたアイデアは拾っていきたい。いつ100%になるのでしょうね(笑)」

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第1話の冒頭のパルクールシーンも、瑠東氏から「やりたい!」と出てきたアイデア。これも台本にはなく、やってみた結果、「絶対、普通に走った方が速いよね(笑)」ってツッコミながらも、ここのシーンで流れた劇盤の感じがジャズ調で、『ルパン三世』や『濱マイク』っぽい感じもあいまって、なんだかカッコ良いシーンになったと思います」と手応えを語り、「このドラマの劇盤担当の瀬川英史さんが最高の楽曲を制作してくださったと思います」と感謝した。