――闇医者チームの現場の雰囲気を教えてください。

皆さん大人の方たちなのでとても自由な空間で、お芝居に集中したいときは楽屋に戻って台本を読んで、皆さんとコミュニケーションとりたいときは現場で楽しくお話をしながら撮影を進めているので、皆さん口をそろえて居心地がいいとおっしゃっています。

――その中で特にお世話になっている先輩は?

皆さんにお世話になっていますが、妻夫木さんは僕が事務所に入ってすぐの頃からワークショップを開いて事務所の若手の人たちと芝居をする機会を作ってくださっていて、僕も参加させてもらっていたので、自分にとっては先生のような、お芝居をずっと見てきてくださった方です。「今の芝居どうでしたか?」という質問をすごくしやすく、そしてしっかり答えてくださるので、お芝居面では妻夫木さんにすごくお世話になっています。

――妻夫木さんの教えで印象に残っていることを教えてください。

妻夫木さんが一番大事にしていることでもあると思うのですが、ワークショップもお芝居を上手になろうというより、お芝居って楽しいよねというのを確認する場だとおっしゃっていて、そのおかげでみんなお芝居って楽しいな、もっとやりたいなという気持ちになり、僕自身、お芝居が楽しくなったきっかけでもあったのでありがたいなと思っています。

――藤原さんとはデビュー作『太陽は動かない』でも共演されていますが、今回またご一緒していかがですか?

竜也さんはほかの人では見たことないようなセリフ回しや佇まいがかっこいいなと。自分にとって目指すべき場所というか、追いたい背中で、デビュー作のときから背中の大きさは変わらず、改めてすごいなと感じています。

――ご自身も唯一無二の俳優を目指していますか?

そうですね。そうなれたらいいなと思います(笑)

――先輩との共演で引き込まれたシーンは?

エース(妻夫木)とジョーカー(藤原)がぶつかるシーンで、台本通りではなく、そのときに出てきた気持ちを言葉に乗せてお芝居されていて、テストと本番でも違う言葉が出ているのを見て、鳥肌が立つくらいびっくりしました。本当に言い合っていて、見ているこっちも「ケンカしないで!」ってリアルなリアクションになり、こういうお芝居がいつかできるようになりたいと思いました。

――日向さんは基本的には台本通りに?

役に入り込みすぎたときに、セリフとは違う、白瀬が言っているような言葉になるときがたまにあって、まだまだ先の話ですが、それを究めることができたらお二人のところまでいけるのかなと感じる瞬間がほんの少しだけありました。お芝居をしていて自然と役っぽい言葉が出たのは今回が初めてでした。