3人とも、南原とがっつりタッグを組むのは初めてだが、片岡Dは「めちゃくちゃ優しかったです! 私のような若手の言うことに“1回乗っかってみよう”という勢いで全部サポートしてくれる感じで、一緒にやらせてもらってすごく気持ちよかったです」と印象を語る。

間島Dも、“1回乗っかってみよう”の姿勢を強く感じた上で、「僕の企画は南原さんが現場で『そうだったんだ!』と驚いてほしかったので、中身についてほぼほぼ知らない状態でやってもらったのですが、その提案も『OKOK』と全部受け入れてくれて、楽しんでくれました。その中で、お茶の間の人たちが一緒にできるかとか、10代・20代の話を50代以上の人が興味を持って見てくれるかといったアドバイスを頂きました」と明かした。

それを受け、千葉Dは「南原さんに『こういうネタがあるんですけど』と相談したときに、『視聴者が真似できるものに特化したほうがいいんじゃないかな』と言ってくれたので、簡単に買えるとか、家に必ずあるものでできるネタに限定しました。視聴者目線からある意味逸脱するところはするんですけど、外しすぎないようにする境を考えてらっしゃるイメージがありました」と感じたそうだ。

■2年目で『99人の壁』ブレイク、そのとき同期2人は…

入社以来バラエティ制作を歩んできた3人だが、1年目にADで携わった『FNS27時間テレビ』の後は、同じ番組に参加することがなかったという。それだけに、「『こういう仕事の仕方するんだ』というのが分かって面白かったです」(間島D)という発見があり、「番組はバラバラなんですけど、だいぶ仲は良い方だと思うので(笑)、90分の放送尺の取り合いも穏便に進みました」(千葉D)と、制作スタイルも“健康的”だった様子。

一方でこれまでの7年、3人はずっと横並びというわけではなかった。2年目で、千葉Dが『99人の壁』で社内の企画プレゼン大会に優勝し、番組全体を仕切る演出デビューを果たしたのだ。当時、他の2人はどんな思いを抱いていたのか。

「飲みの場でも千葉に話したことないですけど、悔しいという思いはずっとあります。いつか抜けたらというディレクターとしての思いはありますが、ライバルであり友達なので、純粋にすごいなとも思います。研修のときに一緒にVTRを作ったんですけど、そのときから彼の腕は知っていたので」(間島D)

「インターンから千葉と一緒だったんですけど、『頑張れ』って応援する気持ちがほとんどですね。私は育休を頂いて最近復帰したのですが、帰ってきたら千葉はずっと演出をやっているし、間島もディレクター歴が長くなっているし、1つの番組をやることがこんなに大変なのかというのが分かるようになってきたので、尊敬が大きいです」(片岡D)

それを受け、千葉Dは「間島は『ドッキリGP』とか『お笑いオムニバスGP』とか、出役としてもちゃんと形になって面白いものにして、ニコルも『新しい波』や最近の『リッチマンDATE』でも画面に出て役割を果たしていて、僕には絶対できないことをしているんです。それに、間島はミスター明るい体育会系でめちゃくちゃ酒飲むし、ニコルも明るいキャラクターがあって、僕はどちらかというと陰のほうで一番フジテレビっぽくない感じだと思っているので、陽の部分がいかんなく発揮されて頼もしいなと感じています」と羨望を語ったが、「イジってる!?」(間島D)、「悪口じゃん(笑)」(片岡D)と、額面通り受け止められることはなかった。

そんな3人だが、今回は1つの番組であるとは言え、3つの企画のオムニバス形式であることから、「今度は同じ企画を作り上げる形で、会議で『こっちじゃないよ』『そっちのほうがいいよ』みたいに真剣にぶつかってみたいですね」(間島D)、「誰かが1人演出をやって、その他2人がディレクターとして就くという感じも、絶対楽しそうだなと思います」(千葉D)と、コラボレーションの実現を願った。