――丸山さん演じる網浜は、自己評価が高くポジティブ思考です。若月さんはいかがでしょうか?
私はネガティブ思考なので真逆ですが、「サバサバしてるね」「男前だね」とよく言われるので、網浜さんを見ながら「私もこう見られているのかな?」と思うこともあります。自分では網浜さんに似てないと思いつつ、ちょっと不安も(笑)。ただ、自分を大切に、自分ファーストで生きているのはうらやましさも感じます。行き過ぎると自己中心的になってしまいますが、自分を大切にするって必要なことなので、いいなと思います。
――若月さんご自身は、自分ファーストではないのでしょうか。
ないですね。自分の幸せを自分で喜べないタイプなんです。何かいいことがあっても「そんなうまく行くはずがない」、誰かに褒められても「褒められたあとはうまく行かないことがある」と思ってしまう。ネガティブにならずに喜べるのは何かなと思ったら、人が喜んでいる姿を見るほうがうれしい。誰かのために自分が何かをしたことで喜んでいます。
――昔からそうなのか、それともいろんな経験を経て?
小学生の頃は自分のことしか考えてなかったです。中学に入って、人がやりたくないトイレ掃除などを率先してやったら、まわりから「ありがとう!」と感謝され、自分もトイレ掃除をしながら「いいことをしてる。これからきっと何かいいことあるぞ!」と思える。それに気がついてからは、そういう生き方をしたほうが自分の性格的に楽だなと思うようになりました。
――それから他人ファーストで生きるように。
そうですね。自分のために頑張れないタイプなので、逆にこの仕事はすごく合っていると思います。芸能界のお仕事は「人を笑顔にするため」とか「ファンの人を喜ばせるため」。「じゃあ頑張ろう!」となれました。自分ファーストではない生き方として、いい意味で頑張れていると思います。もともと強いやる気があったわけではなかったのですが、いざ入ってみて「これだな」と思いました。
――以前はグループの一員として、アイドルとして活動し、ファンの方々の大声援を受けて。
はい。学生時代は勉強で優劣がついたりしたので、選ばれないことが出てくると自分を否定しがちでしたが、アイドル時代は、何かに選ばれなくても、それでも応援してくださる方がいるということに気づけました。頑張る意味が、選ばれない人にもある。それが勉強とは違うと思って勇気をもらいました。
――アイドル時代を経て、現在は女優としてご活躍です。現在の自分の好きなところは?
好きなところは、人に相談されやすいところです。超絶肯定マンなので(笑)。自分自身が、否定されることが得意ではないので、みんなを肯定してあげたいんですよね。どんな生き方も、すべての感情も全部肯定してあげたい。誰かのことを憎んだり怒ったりしていても、その感情だけは否定したくない。何か行動に起こしてマイナスに向かうことは止めてあげたいですけど、その感情を持つこと自体に「その感情を持たないほうがいいよ」とは言いたくないんです。
――逆に今感じている課題点は?
積極性のなさです。今回のドラマはアドリブ合戦で、どんどん自分を出さないとそのシーンが成立しないのですが、私は人に迷惑をかけないで生きようと思ってしまうので、そういうときにあまり話せず、もっと積極的に参加すればよかったと反省しました。ほかの作品を撮っていても自分に制限をかけて無難な道を選びがちなので、そこは変えたいです。