――3年ぶりの全国ツアー「ちりぬるを」を開催されていますが、ここまでやってきた感想をお聞かせください。
藤田:コロナ前とコロナ後で違うなと。お客さんがライブを見ることに、前より若干構えがあるのかなと感じました。
大村:動員数にも多少影響ありますし、ステージに立っても「ちょっと笑いの量が少ないな」と。ツイッターで「大声で笑いたかった」とつぶやいている人もいて、制限しちゃっているんだなと感じ、寂しいところはありますね。
藤田:東京の劇場だと笑い声が帰ってきていますが、地方は年配の方も多かったり、東京よりも警戒されている方が多いのかなと思います。
大村:東京の方はライブを見る機会も多いですし、慣れもあるのかもしれません。
――コロナ前との違いを感じつつも、久しぶりに全国ツアーができる喜びも感じられていますか?
大村:もちろんです。やっとできると。これだよな! と感じながらやっています。
――生の反応は格別ですか?
2人:そうですね!
――改めて、全国ツアーはお二人にとってどういうものかお聞かせください。
大村:やはりずっと続けていきたいなと。2年やれなかったのが悔しいというか、コロナ前は17、18カ所くらい回っていて、本来であれば25周年の今年は25カ所くらい回っていたと思いますが、逆に縮小するという。2年やってなかったし、まだコロナも明けてないから様子を見たいということで、中都市を削らざるを得なくて残念だなと思いましたが、ふたを開けてみたらやはり動員数がコロナ前とは違いました。
――劇場で見るという人がやはり減ってしまったわけですね。
大村:コロナ禍で配信の文化が根付いてしまって、劇場まで出向かないという風になってしまったのは悲しいですね。
藤田:開催するかどうかも、感染者数の推移を見ながら判断していく時代なんだなと。新しい時代にあわせた新しい全国ツアーの作り方をしていかないといけないとわかりました。
――新しいライブの作り方とは、先の状況を予想しながら進めていくということでしょうか?
藤田:はい。感染者数の推移を見ながら、半年後くらいの状況を予想して判断するということ。タイミングや開催場所が券売に直結すると思いますし、特に地方の方はコロナに対する警戒心も強いので、そういうことも考えて決めていかないといけないなと。
――またここからライブを重ねて、生の良さ・魅力を感じてもらいたいですよね。
大村:そうですね。もう1回、0からまた根付かせていかなきゃなと。やっぱり生がいいと感じてもらって、その人数を増やしていきたいです。
藤田:YouTubeやラジオ、テレビがなくなったとしても、最後に絶対残るのが漫才だと思っているので、そこが柱なんですよね。ツアーが柱で、漫才をやらずにテレビやラジオでというのはないと思います。
――以前、「全国ツアーはいつも、前回を超えたい」とおっしゃっていました。コロナ禍でまた0からのスタートということですが、漫才に関しては年々パワーアップしているという手応えはいかがでしょうか?
藤田:もちろん!
大村:そのつもりではいます。
――ツアータイトルはいつもマネージャーさんが決めるということでしたが、今回の「ちりぬるを」もそうですか?
2人:マネージャーです。
――このタイトルにされた理由はご存じですか?
大村:千鳥が『いろはに千鳥』という番組をやっているから、その千鳥に対抗したという、すごく恥ずかしい理由でした(笑)。勝手にマネージャーが千鳥に対抗意識を持っていたのかと。
――そういう理由なんですね(笑)。お二人もこのタイトルで納得していますか?
大村:納得というか、そういう意味ならそういう意味でしょうがないなと。コロナで中止になりましたが、「トータルテンボスの天下統一」というタイトルを予定していたときがあって、それに関してはコロナありがとうと。そんなタイトルでやらなきゃいけなかったのかと思うと震えます。
藤田:あぶないあぶない(笑)