• 『名曲誕生!?誰でもソングライターズ』 (C)フジテレビ

“名曲の音楽理論”をヒントに、タレントたちが曲作りに挑戦する『名曲誕生!?誰でもソングライターズ』を企画したのは、『MUSIC FAIR』などの音楽番組を担当する入社8年目の川上惇ディレクター。

内村と音楽の接点を考えたときに、「小学生の頃に『ウリナリ』のポケットビスケッツとか、『内村プロデュース』のNO PLANとか、各局のバラエティの企画から曲が生まれて、それが一大ブームになっていくのを夢中になって見ていたことを改めて思い返して、番組から曲を生み出せることができたら」(川上D、以下同)と、この企画を発案。そこで、「普段音楽番組を担当していて、アーティストの皆さんの感性の豊かさを感じるんですけど、ミュージシャンではないタレントさんとお話ししても、感性がみずみずしいなと思うことが多かったので、プロの音楽理論という“補助輪”をはいてもらうことで、作詞も作曲も全部してもらうという仕組みにしてみました」と、番組の方向性が決まった。

今回は挑戦するのは、清水ミチコ、どぶろっく、きつねの3組。清水は、内村と『夢で逢えたら』で共演していた間柄という要素も大きいが、「僕は清水ミチコさんが大好きで、世の中にもっとその音楽性を知ってもらいたいと思って、プロデューサーの堀川(香奈)さんに『とにかく清水ミチコさんをキャスティングしてほしい!』と伝えました」と熱望がかなった。

どぶろっくは『あらびき団』時代から好きだった芸人だが、昨年の特番『FNSラフ&ミュージック』で、IMY(山崎育三郎・尾上松也・城田優)とコラボした「大きなイチモツをください」を見て、「本格的な音楽のアプローチで“どぶろっくをアーティストにする”というのが、めちゃくちゃ面白いと思って」とオファー。EDMを使った歌ネタのきつねは、作曲に関して未知数だったが、「一番ピュアでいい意味でのアマチュアイズムが、すごく熱のある曲になるのではないか」と賭けた。

その結果、「想像をはるかに超えて、本当に感動する曲が3曲上がってきました。企画書のときには想像し得なかった皆さんのパワーだと思って、本当にありがたいなと思いました」と、興奮を回想。そのパワーの原動力を聞くと、「やっぱり内村さんの存在が大きいと思います。自分自身も、今回は内村さんが座長としていらっしゃることで、すごく大きな傘に守られて仕事ができた感じがして、直接何かアドバイスを頂いたわけではないんですが、3組の皆さんも内村さんがどう受け止めてくれるかというのを考えてくれたからこそ、本気が引き出されて、それぞれの個性が輝く曲が生まれたんだと思います」と実感した。

  • 清水ミチコ

  • どぶろっく

  • きつね

  • (C)フジテレビ

■フジに気楽に見てもらえる音楽番組を

普段あまり仕事をしない芸人たちと曲作りに挑んだ川上D。「音楽番組だと、アーティストご本人と会うのは本番の一瞬しかないのですが、今回はある意味共同作業のようにコミュニケーションしながら曲を作り上げていく過程があったんです。それは、タレントさんと制作者が一緒に作っていくというフジテレビのバラエティがすごく大事にしている部分だと思うので、その一端を少し経験できたことも良かったと思いました」と充実の表情で語る。

また、「今フジテレビの音楽番組は、『FNS歌謡祭』や『MUSIC FAIR』などプレミアムなものばかりになっていて、音楽がそこまで好きじゃない人にも気楽に見てもらえる音楽番組をやりたいという考えがずっとあったんです。そういう番組があることによって、プレミアムな音楽番組が引き立つし、いい連携ができると思うので。今回の企画は30分尺のトライアルで全てが表現できるわけではないですが、そういう気持ちで作った部分もあります」と、裾野を広げていきたい思いを明かした。