では、どのような成果を得られたら、今回のワールドカップ中継が「意味のあるもの」になったと言えるのだろうか。

野村氏は「明確に基準を決めているわけではないですが、今回のワールドカップをきっかけにメディアとしての価値や格が上がったり、利用者が増えたり、ステージを変えていきたい」と語る。

もう少し具体的なイメージを尋ねると、「テレビはみんなが当たり前のように知っていて見ているもの。ABEMAはまだ全然そういうメディアにはなれていないので、少し隙間時間ができたらとりあえずABEMAを開くみたいな、コンテンツや情報を得る上で皆さんの生活の一部のような立ち位置を目指したい」と説明。

「どうなったらそれを達成したとはっきり言えるものではないですが、無意識の中でも手癖のようにABEMAを開く、我々世代が家に帰ると無意識にテレビをつけるような感じになれたら」と続け、「そういう意味では、ワールドカップを提供することはすごく意味のある、それにつながる第一歩だと思います」と語った。

そして、「ABEMAとしてスポーツジャンルを今後もより強化していくという方針を持っているので、今大会でABEMAとして掲げているメディアの状態が達成できれば自ずと4年後も考えていきたいということになると思います」と4年後にも言及。

「単発でやっても意味がないと考えているので、できることならチャレンジしていきたい。事業としてやっている部分もあるのでしっかりと検討しなければいけませんが、4年後も、という思いはあります」と、あくまでも今回次第ではあるものの継続に前向きのようだ。

  • マルチアングル映像

ABEMAでは、全64試合無料生中継のみならず、リアルタイムで見られなかった試合が見られる「見逃しフルマッチ配信」や、毎試合の名場面を試合直後から楽しむことができる「ハイライト映像」など、さまざまな機能を用意。それらはもちろん、スマホやパソコンなどを用いてどこでも楽しむことができる。

野村氏は「場所や時間の制約なく楽しめますし、インターネット全体からワールドカップに触れやすい状況を作っているので、今までで一番触れやすいワールドカップだと思います。言い換えると、楽しもうと思ったら楽しみやすい環境。デバイスがあればどこでも楽しめるので、常にワールドカップがそばにあるという体験をしていただけると思います」と魅力をアピール。

「地上波で放送される試合でも、地上波を見ながらABEMAも使ってマルチアングル映像やコメントを見るという、ダブルスクリーン的な使い方もできます」と加え、「ワールドカップをきっかけにABEMAの利便性を知ってもらって、ほかのコンテンツも見てもらえるようになったらうれしい」と期待する。