――レスラー役としては事前にどんな準備をされましたか?
撮影が始まる3カ月前くらいからプロレスの練習を始めました。プロレスラーを志している練習生がやるようなメニューから初めて、技の掛け方や受け方を学んでいきました。現役のレスラーの方に教えていただき、ものすごくありがたかったです。
――プロレスシーンは、ご自身が演じたところと吹き替えと、両方組み合わせた感じでしょうか?
全部自分でやっています! 覆面なので吹き替えでと思われるかもしれませんが、それでも自分でやりたいなと。
――そうだったんですか! ドロップキックのシーンもありますが、あれもメンディーさんなんですね。
自分でやりました。今回、ここは譲れないというか、頑張りたいと思ったのが吹き替えを使わないということで、それは『覆面D』の一つのキーワードになるかなと思っています。受け身の取り方も練習して、カットを割りながらですが全部自分でやるということを、監督やプロデューサーと話して決めました。
――吹き替えなしでやりたいとご自身が希望されたということでしょうか。
吹き替えでやることになりそうになったときに「自分でやりたいです」ってお願いをしました。というのも、「日本のトム・クルーズ」って言いたくて(笑)。それが言いたいから吹き替えを入れたくないんです。トム・クルーズさんはスタントもご自身でやられていて、トム・クルーズさんほど命の危険はないですけど、大地大輔としてしっかりセリフが出るように自分で全部演じたいと思いました。
――皆さんの反応はいかがでしたか?
ツアー中でもあるので、苦い顔をする方もいましたけど、ちゃんと受け身の練習もしてやるので大丈夫ですと話してわかっていただきました。
――カットを割りながらとはいえ、なかなかできるものではないと思うのですごいなと。
ダンスの振り付けを覚えるのと少し似ている部分があって、1つの技を覚えて形を整えていくというのはダンス経験が生きたのかなと思います。実際に試合でそれができるかというとできないですが、芝居という部分ではなんとか。求められているものがけっこう高くて、脚本のおさむさんから、こういうドロップキックをしてほしい、こういうプロレスをしてほしいという映像をいただき、それを見た時にこれはちゃんと練習しないとダメだなと。おさむさんの期待に応えてぎゃふんと言わせたいと思ったのでめっちゃ練習しました(笑)
――体はもともと鍛えられていると思いますが、作品のために体作りはされましたか?
『覆面D』のために特別何かをしたということはないですが、ツアー中ということもあって体は仕上がってはいたので、それをキープしつつ、プロレスの練習をしていくうちにレスラーっぽい体つきになっていきました。ただ練習を積み重ねた中で勝手にそうなっていった感じです。
――どのあたりがレスラーらしい体つきになったなと感じていますか?
胸板あたりですね。エルボーやチョップをよく受けていて、衝撃が加わると強くなるのでそれでなのかなと。ロープで体をバウンスさせて向こう側に走るロープワークもしていて、それで背筋などがついたかもしれません。アザもできましたが、それはみんな通る道らしくて「レスラーの仲間入りですね」って言われました(笑)
――ドラマではなく本当にプロレスをやってみたいという思いは?
どうでしょう(笑)。でも、『24時間テレビ』などの特番で、芸能人が格闘技やマラソンなどに挑戦するチャレンジ系をいつかやるだろうなと、この仕事を初めてから漠然と思っていたんです。このドラマが話題になってたくさんの方に届けば、プロレスでそういった企画が実現する可能性はあるのかなと思っています。
――番組企画でプロレスに挑戦ということですね。
はい。僕が一生懸命プロレスをやっていたらメンバーのみんなも感動してくれると思うんですよね。いつも一緒にいる人が技を掛けられたり、投げられたりしているのを見ると、みんな感動するだろうなと。すごくいい企画になりそうだなと思っています。