Google純正のスマートフォン「Pixel」シリーズの最新モデル「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」が登場しました。短時間ではありましたが実機をテストすることができましたので、カメラ機能を中心にPixel 7シリーズをご紹介します。
Tensorプロセッサの2世代目でパフォーマンスは微増か
Googleのテクノロジーショーケースという側面のあるPixelスマートフォン。特にカスタムチップであるGoogle Tensorを採用した「Pixel 6」以降では、Pixelの専用機能も多く、「素のAndroidスマートフォン」という感じでもなくなくなり、独自路線を進んでいます。
「Pixel 7」では、SoCが第2世代のTensor G2となりました。Tensorプロセッサについてはもともとあまりパフォーマンス面でのアピールはありませんでしたが、Tensor G2でも普通の利用に関して速度的な不満を感じることはありません。
普段スマートフォンの性能を測定するのに使っているベンチマークソフトは、記事執筆時点では非対応としてGoogle Playからダウンロードできなかったため未検証ですが、パフォーマンス面で「Pixel 6」シリーズよりも高速化したという説明はされていないので、特に大きく向上したわけではなさそうです。
ただ、「Pixel 6」でも、当時のハイエンドであるSnapdragon 888並みのパフォーマンスは出ていたので、「Pixel 7」もそれなりのパフォーマンスは出せそうです。スペック表を見る限り、CPUのCortex X1の動作周波数が2.80GHzから2.85GHzに、Cortex A76(2.25GHz)がCortex A78(2.35GHz)に強化。GPUがMali G78 MP20がMali G710 MP07になっている点が強化点でしょうか。
大きな違いは、Tensorの主目的であるAI処理の高速化です。スペック表には「次世代GoogleカスタムTPU」という表現しかありませんが、AI処理の高速化がアピールされています。その代表例がカメラにおける処理速度で、夜景モードでは最大2倍に性能が向上したそうです。こういったときにはローカルで機械学習によるAI処理を行うわけですが、それを快適に処理できることを重視したのがTensorとされています。
Google Tensorのおかげで、レコーダーアプリにおける日本語のリアルタイム文字起こし、日本語IMEのGboardにおける音声入力やリアルタイム翻訳機能など、様々なローカル処理の機能を備えています。これらの機能については、「Pixel 6」発売時のレビュー記事で詳しく紹介しています。
今回、このあたりの機能は基本的に「Pixel 6」の時と同様で、大きな違いはありません。一部「Pixel 7」のみに追加された機能もありますが、まあ、おおむね従来通りといったところでしょう。
大きな違いといえば、従来通りの画面内指紋センサーに加え、顔認証機能が追加されています。特殊なカメラは搭載していませんが、機械学習モデルによってより正確に顔認証できるようになったということです。どの程度のセキュリティ強度があるのかは不明です。
ただ、顔認証は端末のロック解除のみに使用され、アプリのログインや決済時の認証では使用できないので、過信はできないようです。マスクやサングラスにも対応できないということなので、自宅で使うときに便利……ぐらいの印象でしょうか。