――今後はどうなっていきたいと考えているのでしょうか。

今年28歳になって、もうすぐ30歳。今はまだ体力も有り余っていて、やりたい仕事もたくさんあるので、しばらくは全速力で走っていき、いろんな作品やいろんな出会いに恵まれたらいいなと思いますが、どこかで体力が落ちていく。意外と30代で来ると思うので、そのときにどうしたいかというのを最近考えています。いただいた仕事を全部やるのもかっこいいですが、自分にしかできない作品や自分がやることによってすごく生きる作品を探っていき、そういう作品にたっぷりと時間と体力をかけて挑んでみたいという気持ちもあります。それまでは若さと勢いで突っ走っていきたいと思います。

――自分にしかできない作品というのは、どういうものを思い浮かべていますか?

まだ見つかっていませんが、いろんなパターンを考えていて、英語を話せるので英語を使って日本や日本人の魅力を世界に伝えていくことも考えていますし、僕はクォーターなので、独特な見た目でもあるので、アンニュイな役やそういう雰囲気が求められる作品にも出演したいなと思っています。

――英語を使って日本の魅力を伝えるというのは、海外の作品に出演して発信できればということでしょうか?

そうですね。

――最後に……「氷魚(ひお)」さんというお名前について質問させてください。どんな環境の変化でも生きていける鮎の稚魚・氷魚(ひうお)に由来し、「どんなプレッシャーや環境の変化にも対応できて突き進んでいけるように」と願いを込めて命名されたそうですが、実際にそれがご自身のモットーにもなっているのでしょうか。

そうですね。この仕事は常に環境が変わり、毎日違うところに行って違う仕事をするわけですけど、対応力が必要だなと感じています。また、みんなと楽しくいいものを作っていきたいという思いや、いろんな出会いに感謝ができるからこそ続けられていると思うので、そういったことを教育してくれた両親にはすごく感謝しています。

――現場ごとに対応しながらいろんなお仕事をされているわけですよね。

ドラマだと3カ月ずっと一緒にいて、この前まで朝ドラをやらせていただいていましたが、朝ドラだとほぼ1年間、週6日会っていたのが、クランクアップすると会わなくなって、みんなそれぞれ違う現場で新しいファミリーができる。そこに対応しつつ、それを楽しめるかどうかだと思いますが、これからも楽しんでいけたらと思います。

■宮沢氷魚(みやざわ・ひお)
1994年4月24日生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。2017年にドラマ『コウノドリ」で俳優デビュー。ドラマ『偽装不倫』(19)、連続テレビ小説『エール』(20)などに出演。初主演映画『his』(20)にて数々の新人賞を受賞、また、映画『騙し絵の牙』(21)では、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。先日最終回を迎えた連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演。映画『グッバイ・クルエル・ワールド』が公開中。映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』と映画『エゴイスト』が2023年公開予定。