■この人、生活者だ!

――好みもありますしね。スーパーの推しポイントには、その人の人となりが見えるような気がして、話を聞いていてもやっぱり面白いです。

スーパーの推しポイントで言うと、一番忘れられないのが、辻希美さんをラジオのゲストにお迎えしたときです。好きなスーパーを聞いたら、辻さんは「コモディイイダが好きです」と答えられて。その理由が「鮭の切り身の塩加減が絶妙なんです」と言うのを聞いて、「この人、生活者だ! めちゃくちゃ信用できるな……」と大好きになりました(笑)。鮭の切り身も本当にスーパーによって味が全然違うし、今はコロナで個包装されたものが多くなりましたけど、清潔感がないとちょっと買う気にならないし、いい推しポイントなんです。

定価で買えないわけではないのに、私は今日も収録が終わったらプレッセに寄って、鮮魚コーナーで「割引シール貼ってある! いえーい!」と喜ぶタイプなんです(笑)。しかも、3割引きのシールだったらまだ手を出さずに様子を見て、半額のシールが貼られるまで待ったり。ある種のエンターテインメントですね。

■子どもの頃に行ったスーパーの記憶は鮮明に

――私はお二人の話を聞いて、辻さんもスーさんもますます大好きになりました(笑)。前回のスーパー総選挙では、投票とは別に、リスナーの皆さんのスーパーにまつわる思い出についてのメールも募集されていて、それもまたグッと来るものばかりでした。スーさんのスーパーの思い出ももしございましたら、教えていただきたいです。

私、子どものころ、母親とスーパーに行くのがすごく好きで、それこそ私の生活の中の上位5位くらいに入るくらいの楽しみだったんです。母親と一緒にスーパーに行って、カートを押させてもらうんですけど、まずは生鮮食品と果物のコーナーから始まって、乳製品コーナーを越えて、お肉のコーナーに行って、右側の棚を見ると、粉のスープとかがあって……みたいに、自分が子どもの頃に行ったスーパーって、配置を全部覚えてるんですよ。大人になって行ったスーパーはそんなに覚えてないのに。

あとすごく記憶に残っているのが、バレンタインデーのときに、「近所の男の子にチョコをあげたい」と言って、母親と一緒にスーパーにチョコを買いに行ったんですけど、どうしてもそのチョコを食べたくなっちゃって、家に帰ってこっそり半分食べちゃったんです。母親に「なんで食べたの?」と聞かれたから、「○○君はまだ子どもだから、全部食べちゃいけないから」って、めちゃくちゃなことを言って(笑)。その時に買ったお花の形をしたチョコのことも覚えています。

大人になってからだと、一時期はマルエツで毎回焼き芋を買ってましたね。どうかしてるのか? ってくらい、焼き芋を買っている時期がありました。

――一体どれだけ焼き芋を買っていたんですか(笑)。ではお時間が来てしまいましたので、スーパー総選挙のPRを最後にお願いいたします!

あなたの偏愛がスーパーのランクを決めるという特殊な総選挙です。愛ほとばしるメールがたくさん寄せられていますが、それを聴くだけでなく、ご自身がメールを送ることで、普段感じられないようなスーパーへの思いというものに気づくと思いますので、ぜひ一票を投じてご参加してみてください。

■プロフィール
ジェーン・スー
1973年5月10日生まれ。東京都出身。音楽プロデューサー、作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティなど多岐にわたる分野で活躍。主な著書は、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)など。
■これまでのスーパー総選挙結果
・2017年「第1回スーパー総選挙」 投票総数:1538票 エントリースーパー:233社
1位:オーケー (214)
2位:ヤオコー (107)
3位:SEIYU (81)
4位:サミットストア (70)
5位:ライフ (58)
・2018年「第2回スーパー総選挙」 投票総数:5149票 エントリーしたスーパー:316社
1位:オーケー (1035)
2位:ヤオコー (779)
3位:ライフ(730)
4位:サミットストア(203)
5位:マルエツ (154)
・2019年「第3回スーパー総選挙」 投票総数:6007票 エントリーしたスーパー:333社
1位:オーケー(1610)
2位:ライフ (754)
3位:ヤオコー (658)
4位:ロピア(591)
5位:サミットストア(261)