――自分に似ていると感じたところ、違うなと感じたところはありましたか?

佐藤:好きな人を目の前にしたとき、自分の思いと裏腹なことを言ってしまうというのは似ているなと。僕もジャニーズに入る前に、好きな子としゃべっていたとき、拗らせまくって普段の自分じゃない感じになったこともあったので(笑)。自分と全然違うのは、高良くんは一軍じゃないですか。僕はモブ中のモブだったので(笑)

織山:企画書では地味系と書いてあったのですが、実際の天城くんは明るくて元気。僕もモブ中のモブなので、そこは似ていませんね(笑)。逆に似ているなと思ったのは、天城くんの学校での立ち位置ですかね。天城くんって結構微妙なところにいるのですが、僕もその部分は近いかなと(笑)

――2次元を実写にする難しさは感じましたか?

織山:高良くんという役はとても難しかったと思います。セリフがほとんどないんですよね。「おう」とか「うん」みたいな。温度感が難しい。本当に静かになりすぎるとガチサイコパスになっちゃうし。うるさすぎれば原作とは変わってしまうし。そこは大変そうだなと。

佐藤:本当に大変でした。いままで舞台とか映画やドラマに参加してきましたが、こんなに一つの役に対して悩んだのは初めてです。でも天城くんの役も、泣いたかと思えば急にシリアスになったり、明るくなったりと、高良くんの何倍もエネルギーを消費するお芝居だったので大変だったと思います。僕も『いまを生きる』という舞台をやらせていただいたとき、ハンデを持った男の子を演じたのですが、感情の上下が激しくかなりエネルギーを使ったんです。素人目ですが織山はお芝居も上手ですし、監督の求めるものを本当にちゃんと体現する。僕の勝手な評価ですが、120点ぐらいすごかったです。

――お二人とも、お芝居の作品を重ねていますが、続けてきて感じた演技の魅力、さらにお芝居はアイドル活動に活きているでしょうか?

佐藤:この作品で、ジャニーズ以外の方々とお芝居をする楽しさ、仲良くなれることの貴重さを身に染みて感じました。もっとお芝居したいなと思いました。また作品に入るたびに、歌詞の意味をより考えるようになった気がしているので、お芝居とアイドル活動はつながっているなと実感できました。また自分の実力不足も感じたので、もっと頑張らなければという思いも強くなりました。

織山:今回感じたのは、演技って境界線がないのかなと。学校の先生と話すときや、こうして取材を受けているときでも、地元の親友と話しているときとは違う。どこかでなにか演じている感覚があるんです。その意味で、お芝居に入ったとき、力まずに演技することの大切さを学べた気がします。僕はダンスをすごく一生懸命頑張っているのですが、ふと将来のことを考えたとき70歳になっても80歳になってもダンスができるのかなと……。その意味で、お芝居というのはたくさん素敵な俳優さんにお話を聞いていると、いくつになってもできる職業なのかなと思ったんです。しっかり学んでいきたいし、きっとこの経験がグループにも還元できると思っています。

佐藤:すごい、完璧なコメント。なんでそんなことが言えるんだ! すみません、僕は小学生みたいな発言で(笑)