バッテリー持ちはかなり良い
バッテリー持ちは、非常に優秀だった。筆者の使用状況としては、血中酸素トラッキングは有効にしておらず、ワークアウト頻度は、数日に一度、30分程度のワークアウトを行うかどうかというものだったが、1度も有線での充電を行わずにほぼ装着しっぱなしで1週間経っても残量は40%ほど残っていたし、10日間経ったタイミングでもまだまだ余裕で使用できた。
実際に残量が4%になり、「バッテリー節約をオンにしますか?」という文字が表示されたのは、13日目のこと。実際にバッテリーが切れたのは、14日目だった。もちろん、天候によってソーラー充電の貢献度は変化するだろうが、隙間時間にワークアウトを嗜む程度ならば、10日間~2週間弱は使えると見積もって良さそうだ。
もちろん、長距離のワークアウトを行う場合などには、もう少し消費は早くなると思う。しかし、フルマラソンやトライアスロンの競技者でも、バッテリー持ちを懸念することなく利用できるのは確実だ。日常使いを含めて、小まめなバッテリー管理が苦手という人にとっても、おすすめしやすい。
設定項目の階層は深め。慣れが必要
一方、気になったのは、設定項目の階層が複雑だったことだ。当然製品としてはタッチ操作に新対応し、「感覚的に操作できること」も期待できるのだが、それは日常的に触る表層的な部分に限る。
例えば、「新対応したリアルタイムスタミナ表示をどうすれば利用できるのか?」と考えたときには、ワークアウト中の画面をカスタマイズしなければならず、こうした操作どこから行わなければならないのか探る必要があった。
例えば、「ラン」のワークアウトの画面に表示される編集するには、「ラン」ワークアウトを実施した状態で、9時位置のボタンを長押しし、「ラン設定」→「トレーニングページ」を選択。2時位置のボタンを押し、「データ項目」を選ぶ。そして、画面に表示されている項目を選んだ状態で、さらに変更後の表示要素を選ぶという流れだ。
頻繁に変更するものではないとはいえ、デジタルツールの扱いに慣れてない人には難易度は高く感じるだろう。ほかにも様々な設定項目が存在しており、正直2週間近く使い続けた筆者でも、まだ触れていない設定項目はたくさんある。
一応、公式サイト上に製品の操作マニュアル(PDF)は公開されているものの、100ページを超えるPDFにぎっしりと書かれた説明を読みながら、必要な手順や用語の意味を逐一確認できる人は少数派だろう。
従来のガーミン製品然り、そういう意味で「感覚的な操作」が期待できない部分は残っており、どうしても機械やデバイスの操作に長けた人向けだな、とは感じる。
ただし、裏を返せば、特段カスタマイズをせずとも、ほぼデフォルトのままで2週間快適に使えてしまったということでもある。また、それだけ多彩なメニューが用意されているので、真摯に製品に向き合えば様々な機能を深掘りして使えることでもある。
デフォルトの設定をベースにシンプルに使うもよし、慣れてきたら深い階層に挑戦するもよしで、長い期間に渡って楽しめるデバイスでもあるとは思う。
中級~上級ランナーの頼れる相棒
今回は、同機のランニングやトレーニングに関する機能を実際に使ってみたが、単に機能が多いだけでなく、ワークアウトを行うユーザーの視点で、使い勝手がよく考えられると感じた。
た、本稿では割愛させてもらったが、スマートフォンからの通知表示や、決済機能、音楽の再生機能なども使える。スマートウォッチとして、総合的な完成度も高いと言えるだろう。
もちろん、8万円超という価格は決して安くはなく、既存機能について重箱の隅を突くこともできる。しかし、普段のランニングの強度を一段階UPさせたい人にとって、心強い相棒になり得る一台であることは間違いない。