タクタイルの茶軸、リニアの赤軸、クリッキーな青軸

MX MECHANICALシリーズで採用されているメカニカルスイッチは、ロジクールのゲーミング向けメカニカルキーボードで採用されているものと同じ、ロジクールが独自開発したものだ。5,000万回の押下耐久性という、申し分ない耐久性を備える。また押下圧は55gとなる。

軸は、静音タクタイル(茶軸)、リニア(赤軸)、クリッキー(青軸)の3種類の軸を用意している。つまりMX MECHANICALシリーズは、全部で2モデル6製品をラインナップしているわけだ。なお、今回試用したのは、茶軸採用のMX MECHANICAL MINIだ。

  • MX MECHANICALシリーズで採用するメカニカルスイッチは、ロジクール独自開発のもので、静音タクタイル(茶軸)、リニア(赤軸)、クリッキー(青軸)の3種類の軸を用意している。写真は、今回試用した茶軸のスイッチ

  • MX MECHANICALの青軸モデル(写真左)、赤軸モデル(写真中央)、茶軸モデル(写真右)

ゲーミング向けと異なるチューニング

ただ、ソフトウェア開発者やエンジニアなどをターゲットとしているMXシリーズということで、メカニカルスイッチには、ゲーミング向けとは異なるいくつかのチューニングが行われている。

まず、最も大きな違いがストロークで、MX MECHANICALのスイッチはストロークが3.2mmのロープロファイル仕様となっている。これは、エンジニアやビジネスユーザーのタイピング頻度を考え、指や手首への負担を抑えるためにストロークを短くしているという。

実際にタイピングしてみると、ストロークが1.8mmの「MX Keys」シリーズなどと比べると、しっかり深く押し込む必要があると感じるが、一般的なゲーミングキーボードの3.8mmよりはわずかに浅い。その差は、数字で見るとわずかだが、実際にタイピングしてみると、このわずかな違いによって、思った以上に軽快にタイピングできるという印象だ。

もちろん、メカニカルスイッチらしい、しっかりとした打鍵感はそのまま維持できている。これは、長時間キーボード入力を行うエンジニアなどにとって、かなり魅力的と感じる。

ゲーミングと比べると打鍵音は静か

また、いずれのスイッチも、ビジネスシーンでの利用を考慮して静音性が高められているという。メカニカルスイッチということで、メンブレンスイッチなどに比べると打鍵音は大きいのは事実だ。

実際にタイピングしてみても、タイピングするごとにカチカチという打鍵音がしっかり耳に届く。それでも、一般的なゲーミング向けメカニカルキーボードと比べると、その音は静かだと感じる。

なお、今回は茶軸以外のスイッチは試せていない。おそらく、静かさという点では赤軸が最も優れるのではないかと思われるが、茶軸でもそこまでうるさいとは感じない。このあたりは、実際に家電量販店などで実物を触って確認してみることをお勧めする。とはいえ、メカニカルキーボードながら比較的静かに使えるという点は、ありがたいと感じる。

  • キーストロークは3.2mmのロープロファイル仕様で、軽快なタイピングが可能。またスイッチは静音化も施されており、打鍵音も比較的静かとなっている