「役者としての完成度は何%?」との問いには、「低いです。現状15%くらいですよ。一生かけてやれる仕事ですから。ウソです、20%ぐらいです、ちょっと謙遜しました(笑)」と回答。数々の映画やドラマで重要な役どころを演じ、大河ドラマの主演や日曜劇場の主演も務める実力者ながら、自己評価はかなり低い。

一生をかけて「100%を目指していく」とのことで、「まだお芝居を始めて20年しか経っていない。たぶん死ぬまでやるので、今でけっこういっていたらどこかで打ち止めになってしまう。ここから20年経ってもまだ60歳ですから、80歳までやるとしたら、20%、40%…60%までしかいけない(笑)。ちょっとペースを上げて頑張ります! どこかで加速度的に上がってほしいです」と話した。

これから身につけたい役者としてのスキルは「たくさんあります」とのことで、その一つとして「もっと客観的に見ながら入り込めるはず」と課題を挙げた。

相反することのように感じるが、「僕らの仕事は両輪を広げていかなきゃいけない。もっとその人物に入り込んで自由に、相手の状況と反応を見て勝手に人物が暴走していくことに身を任せられる能力と、その一方で、それが相手やお客さんに届いているか、監督が求めるものなのか、カメラにちゃんと映っているか。うまい人は両方を究極まで広げていける。すごいなって思う人はいっぱいいます」とその重要性を語った。

『バズ・ライトイヤー』では、吹替の面白さも難しさも実感したという鈴木。「息の出し方の強弱とかが日本語と英語ではだいぶズレているので、勉強になりましたし、すごく面白かったです」

ただ、実写の吹替をやってみたいという思いは「今のところないです」とのこと。「だったら僕にやらせてくれって思います(笑)。そこまで表情とか作られてしまうと、こっちにできる表現が本当に限られてしまうので」と話した。

そして、「やっぱり同業者じゃないですか。国が違えどお互い切磋琢磨していく関係なので、そういう意味では、僕もまだ未熟なのかもしれません、前半のバズのように(笑)」と笑っていた。

  • (C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

■鈴木亮平
1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。2007年に『椿三十郎』で映画デビュー。2013年に主演映画『HK/変態仮面』で注目を浴びる。翌年、NHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインの夫を演じ、2018年にはNHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公・西郷隆盛を演じた。2021年にはTBS日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』で主演を務め、映画『孤狼の血 LEVEL2』、『燃えよ剣』、『土竜の唄 FINAL』への出演も話題に。『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』が2023年公開予定。