(Ryzen 6000 Series Mobile製品が早々に出なければ)悪くない

2022年に発表されたInspiron 14/16(AMD)はメインストリーム向けの製品だ。実際に触ってみても縦1,200画面がうれしい(製品発表会はオンラインだったので、レビューをやるかダイレクトストアにでも行かないと実機を触ることができなかった)。国内メーカーの軽量化モデルには遠く及ばないが、16インチモデルでも2kgを切るので、持ち運びメインでなければ悪くない。パフォーマンスも高く普段使いなら十分だ。Inspironとして正当な進化となった製品だ。

今年1月のCESでAMDがRyzen 6000 Series Mobileを発表しているのでRyzen 6000モデルが早々に発売されると怖いが、今回のInsrironには同時に発表されたRyzen 5000 Series Mobileの追加SKUであるAMD Ryzen 5 5625U/Ryzen 7 5825Uを使用しているので、早々には出てこないとは思う。

なので「その気なら今買ってしまえ、待てばいい製品が出ると考えるなら待て」というところだろう。また、Ryzen 6000 Series Mobileになって大きく変わるのはグラフィックス部分なのでゲームを強く意識しないなら今回のモデルでも大きな不満はない。

サイズに関しては見やすさとタッチパッドの広さ、持ち運び頻度で考えるのがよいだろう。16インチモニターの方がゲームが遊びやすかったし、タッチパッドも広々と使える。逆にサイズと重量を考えれば14インチが有利だ。家の中で使い、極々たまに持ち出すならばImspiron 16も十分選択肢に入るだろう。

なお、ベンチマークを見る限りではRyzen 5 5625Uモデルでも十分健闘しているのだが、ゲームなどの3D要素を重視したり、Officeアプリや多くのWebブラウザタブを開くようなメモリヘビーな使い方をするならばデュアルチャネルの16GBメモリが欲しいところだ。しかし現在のInspironのBTOメニューを見るとRyzen 5 5625Uモデルにはシングルチャネルの8GBしか用意されていない。

サービスマニュアルを見る限り、5425/5625共にメモリのDIMMソケットが二つあり、増設・交換ができるものの、保証がなくなることを考えると、一般ユーザーは上位モデルのRyzen 7 5825Uのモデルを選んだ方がよいだろう。

あえてケチをつけるとすれば「所有する喜び」となる高品質素材の利用や超絶美しい表示パネル、どんなゲームタイトルも余裕でこなすようなパフォーマンスはない。しかし、Inspironというシリーズがメインストリームターゲットにしている以上、この製品にそういう「尖り」を求めるのはお門違いだ。即納モデルも用意されており「手ごろな価格で普段使いに使える優秀なノートパソコンを可能な限り早く欲しい」人におススメしたい。