――『シルシルミシル』(テレビ朝日)のレポーターというのも、飯尾さんの中で大きかったのではないでしょうか。テレ朝の藤井智久プロデューサーにお話を聞いたとき、「他ではあんまり見なかったということで飯尾さんを使ってみようとなった」とおっしゃっていました。

そうですね。でも、いまだにあの番組の最初のロケを覚えてます。広瀬(陽一)さんというフリーのディレクターさんに「もう好きにやっちゃってください」と言われて、「え? いいんですか?」って確認したら、「どんどん行っちゃいましょう!」と言ってくれて。それで日本一のストッキング工場のロケだったんですけど、社長の前で「本当に破れないんですか?」って言ってストッキング被りだしたり、本当に好きにやらせてもらったんです。

――それがスタジオでウケたんですね。

スタジオはくりぃむしちゅーさん、次長課長、バナナマン、マツコ(・デラックス)さんというメンバーなんで、そこに向けてやってた感じですね。だからスタジオの反応しか気にしてなかったです。テレビの前の人が何を求めてるか分かってたら20代で売れてたと思うんですけど、そんなものは分からないですし、このロケの画を真っ先に見るのはスタジオの人なんで、「スタジオのウケどうだった?」ってばっかり聞いてましたね。

――現在はどのような意識なのでしょうか?

やっぱり、スタジオの中で水卜さんをはじめ、皆さんとワイワイやっているのがいいんじゃないかと思いますね。まずはスタジオが楽しい雰囲気じゃないと、テレビの向こうに伝わらないと思いますから。

■高知のカツオ漁密着ロケ以来の早起き

――この春で、『ZIP!』に加え、『VS魂 グラデーション』(フジテレビ)、『阿佐ヶ谷アパートメント』(NHK)と、レギュラーが一気に3本増えましたが、1つのターニングポイントになりそうですか?

もうこれまでターニングポイントを見過ごしすぎちゃって、何がターニングポイントなのか分かんなくなっちゃってますからね…。でも、『ZIP!』は朝の情報番組なんて経験、今までなかったですからね。朝3時20分に起きたのって、10年前に高知でカツオ漁の密着ロケに行ったとき以来ですよ。

――では、最後に今後への意気込みをお願いします。

水卜さんをはじめ、皆さんに甘えっぱなしなんで、もっと皆さんとワイワイしたいですね。あと、マーシュちゃんに35年ローンみたいなことしちゃったんで、1日でも早く返済したいと思います。

――飯尾さんが人気の移住先を調査するコーナーもありますね。

東京生まれ東京育ちで、他の県に住んだことがないので、故郷コンプレックスみたいなのがあるんですよ。この前は富士吉田(山梨県)に行ったんですけど、いいところでしたね。ロケをして気づいたんですけど、東京ってはっきりした名物がないなと思ったので、そういうものがある故郷がほしいんです。それと、車の免許がないので、持っていたら移住の範囲がだいぶ広がるなと思って、免許取ったほうがいいのかなとも思いました。『ZIP!』ではそういう新しい発見があるので、どんどん新しい場所に行ってみたいですね。

●飯尾和樹
1968年生まれ、東京都出身。91年にデビューし、00年にやすとお笑いコンビ「ずん」を結成。「ペッコリ45度」「座ったついでにシャロン・ストーン」「メガネの位置が女編集長」など独特なギャグで人気を博し、『アンナチュラル』『私の家政夫ナギサさん』(TBS)といったドラマにも出演。現在のレギュラー番組は、『ZIP!』(日本テレビ)水曜パーソナリティーのほか、『ノンストップ!』『さんまのお笑い向上委員会』『VS魂 グラデーション』(フジテレビ)、『阿佐ヶ谷アパートメント』(NHK総合)、『ピタゴラスイッチ』『おむすびニッポン』(NHK Eテレ)、『飯尾和樹のずん喫茶』(BSテレ東)、『まるごと』(静岡第一テレビ)。