■まるで警察の捜査会議!? 綿密な撮影シミュレーション
――コントが映像化されるにあたって、舞台とは異なる部分など新鮮に感じられたところはありますか?
久馬:舞台とは違う見せ方ができるなと思いましたね。カメラがあると言葉とかで説明しなくてもいいじゃないですか。そこをアップにすれば言いたいことも伝わるし。
山本:どこでアップにするかは悩みどころでしたね。アップにするとそれだけ意味が出てくるし、ここがボケですよと言ってるようなものなんで。あの……アップにするタイミングとか、大丈夫でしたか?
久馬:大丈夫でしたよ(笑)。ちゃんと強調したときにアップにしてくれてたし。あと、舞台やとね、前後の時間的な繋がりなんかを多少ごまかしてもイケるときがあるんですけど、テレビだとそれができないので、いい刺激になりました。
――撮影の際にご苦労された点は?
山本:やっぱり、演者とスタッフの“見切れ(※映ってはいけない人がカメラに映り込んでしまうこと)”をいかになくすか?ですね。さながら警察の捜査会議のように、ホワイトボードにロケ地のマップを書いて、出演者とスタッフの全員分のマグネットを用意して、「ここにスタンバイして、こっちに移動して……」とマグネットを動かしながら、台本に合わせてカメラに映らない位置や動きを確認していく作業をひたすらやりました。
――そういった綿密なシミュレーションもあって、どうやって撮影してるのか? と思わず見入ってしまうシーンも多いですよね。
久馬:そうですね。カメラの死角をうまいこと使って、さっきまでいなかった人が急に現れたりとか。それも不思議な感じでよかったと思います。
――久馬さんは今回の5組のコントを1本にまとめるにあたって、大変だった点はありましたか?
久馬:いや、今回は書きやすかったです。後半のあるコンビのネタに刑事が出てくるんですけど、ありがたいんですよね。刑事がいると事件が起こせて盛り上がりが作れるから(笑)。
――一般の方がごく普通に行き来している商店街での撮影。不測の事態に困ったことは?
山本:それが、これといったトラブルもなく。撮影で使わせていただいたお店の方も協力的で、とてもありがたかったですね。
久馬:ホンマにありがたいですよね。撮影やってる時間、店閉めなアカンのに(笑)。不測の事態といえば……あるコントの舞台に想定してた“普通の喫茶店”が協力していただけるお店のリストになくて、ドッグカフェを使わせてもらったぐらいですかね。申し訳ないんで、本番にちょっとだけ犬にも出てもらってるんですけど……。
山本:これはみなさんに放送を見て確かめてほしいシーンですね(笑)。
久馬:あと、あるコンビが整骨院でやるコントのリハーサルのとき、奥ではお客さんが普通にマッサージを受けてはって。予約の時間が来たからってことで店に入ってもらったんですけど、最初は外で待っていてくれてたんですね。そのシチュエーションに、コントの中で叫ばれるセリフがピタッとハマってたっていう。
山本:確かに!(笑)
――誰のどんなセリフなのか? 読者のみなさんには、ぜひオンエアでチェックしていただきたいですね(笑)。