読売テレビの25人のディレクターが温めていた渾身の企画にチャレンジする実験的バラエティ番組『るてんのんてる』(毎週金曜24:30〜※関西ローカル)。6日(24:45〜)、13日は、ザ・プラン9のお〜い! 久馬の主催で2009年から連続開催されている月イチイベント『久馬歩責任編集 月刊コント』の初の“テレビ化”となる「1カットコントドラマ『商店街にナイスガイ!』」を2週にわたって放送する。
『月刊コント』は、数組の芸人が自作のコントで共演するコントライブ。それぞれのネタを久馬が手がけるブリッジコントで繋ぎ、全体で1つのストーリーを紡ぎ上げる巧みな構成が人気を博している。この独特のスタイルを受け継ぎながら、収録は商店街で実際の店舗などを使った“オールロケ”。しかも一度もカメラを止めない“1カット”撮影と、まさに実験的な試みとなった今回の企画はいかにして生まれたのか? 担当した入社7年目の山本大翔ディレクターと、お〜い! 久馬に裏話を聞いた。
■1つのミスでイチからやり直し! 過酷な“1カット”
コントの舞台は大阪・京橋の商店街。浅越ゴエが扮するテレビ番組のリポーターは“商店街でナイスガイを探す”というロケの真っ最中。行く先々のお店では、ザ・プラン9、ロングコートダディ、ニッポンの社長、ビスケットブラザーズ、天才ピアニストの5組が演じる奇妙な人たちと出会うが、そんななか、街の人々を巻き込むまさかの事件が起こる。
――今回の企画が生まれたきっかけは?
山本:僕は『月刊コント』が大好きで、大学時代からよく観に行っていて、いつかテレビでやれたらとずっと思ってたんです。
久馬:お話をいただいて、ありがたいなと思いましたね。「1カットで」って聞いたら途端に怖くなりましたけど(笑)。途中で誰かがミスしたら、最初から全部やり直しですからね。だから、どうにかして僕があんまりしゃべらんで済むようにしようと(笑)。
――コントごとに撮影しておいて、あとで1つに繋げる方法もあったかと思うのですが、1カットにこだわった理由は?
山本:編集で繋げることもできますけど、リアルにその場所、その時間で各コントが繋がっている感じを出すには、1カットで撮りきる方法が最適かなと思いました。
――失敗が許されない1カット。大変な緊張感だったのでは?
山本:そうですね。本番では各コンビが順にコントをやっていくんですけど、1組目がプラン9さんで、若手の出番が後だったので、若手はみんな嫌がってました(笑)。でも、おかげで引き締まった撮影になったのかもしれません。
――出番が遅ければ遅いほど、ミスができないプレッシャーは大きくなりますね。
久馬:そこはかわいそうなんですけど、『月刊コント』でも僕らがいつも最初に出ているので、今回も1組目でやらせてもらいました。こういうイベントって、先輩が最後に出るべきみたいな暗黙のルールってあるじゃないですか。僕、そういうの嫌なんです(笑)。やっぱり先輩が先に出て、ちゃんと空気を作ってやれよと思ってしまうので。
――本番はミスなく進みましたか?
山本:そう簡単にはいかず、放送でも触れていますが、1カットならではのミスもあって4〜5回ほど撮り直しましたね。
久馬:イチから撮り直しで険悪な空気になるのかなと思ってましたけど、そんなこともなかったですね。「え、またやんの?」って文句を言う人は1人もいなくて、みんなで一致団結して「次こそがんばろう!」って気合いを入れ直す感じでした。
山本:そういうときのムードメーカーがヤナギブソンさん。後輩がミスすると、「だから気をつけろって言うたやろ!」みたいな感じでわざとキレるふりをして笑わせてくださったり。現場のムードも和んで、すごくありがたかったですね。