運動
スマートウォッチは運動との関係を切ることができない。スマートウォッチは人の活動をモニタリングし、そこから得た情報を分析して人間にフィードバックする道具だ。運動はその効果がもっともわかりやすいものであり、健康的な心身を維持する上で欠かすことができない。ぜひとも、スマートウォッチを活用して楽しく続けられる運動を日常の習慣としてしまいたい。
アクティビティとトレーニングアドバイス/プログラム
スマートウォッチを使って運動をモニタリングすることができるのはもちろんだが、スマートウォッチの便利さはその先にある。スマートウォッチはこれまでのユーザーの運動から、今後どのようなトレーニングをしたほうがよいか、今日どんなトレーニングをしたほうがよいか、または逆に今日は運動は控えて休んだほうがよいなどのアドバイスをくれる。専属のコーチが付いているような感じだ。
アドバイスのレベルはさまざまだ。マラソンや自転車レースの日と内容などを設定すると、それに向けてプログラムを自動で組み上げて提案してくれるものもあるし、普段の運動から不足している運動を提案してくれるものもある。有酸素運動、無酸素運動、強強度、低強度、モビリティ、筋トレなど提案はさまざまだ。ランニング中にアドバイスを出してくれるモデルもある。使いこなせば自分に足りていない運動に気づくことができ、健康促進や疲労回復、怪我回避などにもつながる。
筋トレ機能
最近のモデルの中には、筋トレを自動的に計測するものが出てきている。加速度センサーなどを駆使して動きを推測し、自動的に筋トレメニューと回数を推測して記録してくれる。そして、全身のどの筋肉に刺激が入ったかを図示してくれる。過剰になりがちな部位やトレーニングが足りない部位を把握しやすくなる。
運動は筋トレしかしないというビジネスマンも多いだろう。効率的な筋トレをするには、毎回メニューと重量、回数、セット数を記録し、次回のトレーニング時は、一連のデータに基づいて次のトレーニングに取り組むのがよいとされている。スマートウォッチの筋トレモニタリング機能を使うと、こうしたトレーニングメモとして利用できる。使ってみるとすごく便利な機能だ。
脂肪燃焼割合
年々太り続けているビジネスマンにとって、脂肪燃焼は高い関心事だ。脂肪を燃焼し、引き締まった体でいたいとは、誰しも考えるところだ。
人間は主に脂質、炭水化物、タンパク質をエネルギーとして体を動かしている。どのエネルギー源が使われるかは運動種類の割合(有酸素~無酸素)と強度および継続時間などで変わってくる。まだこの機能を備えたモデルは多くないが、一部のモデルはこの「エネルギー割合」を推測して教えてくれるものがある。
例えば、30分間運動時間を確保したとする。可能な限り脂肪を燃やしたいと考えるビジネスマンは多いだろう。筋肉が減るのはよくない。筋肉は減らさずに、脂肪を中心にエネルギーとして使っていきたい。スマートウォッチを使うことによりその運動のエネルギー内訳がわかるので、自分にとって最も効率のよい脂肪燃焼の運動を探しやすくなる。
怪我防止
「体を鍛えよう」「痩せよう」と思うと、やりがちなのが「オーバーワーク」だ。成果を急ぐあまり運動をしすぎて怪我をしてしまうパターンだ。真面目な人ほどこの状況に陥りがちだと思う。
そんなときは、スマートウォッチが運動のしすぎと警告してくれる。次の運動まで何時間休むようにという目安を提示してくれるモデルもある。逆に、運動が足りていないと、運動が足りないと発破をかけてくる。24時間モニタリングしてくれているスマートウォッチだからできる機能だ。
回復テスト
また、簡単な運動でどの程度体力が回復したかを計測してくれるモデルもある。運動が好きで、よく体を動かすビジネスマンにはぜひとも活用してもらいたい機能だ。
また、ゲームのHPゲージのように人間のHPのようなものを表示してくれるモデルもある。質の高い睡眠を取るとよく回復し、逆に日中の活動や運動、ストレスによって減少する。こうしたゲージを参考にしながらその日の活動を調整するのも健康維持や効果的なトレーニングに有効だ。
自分の回復具合は、案外自分では把握できないものだ。「今日しか運動時間がとれないから」「最近太ってきているから」という社会的な理由で、心身の状態を無視して運動してしまいがちだ。ずっと見てくれているスマートウォッチを使って回復具合を計測することで、本当に回復しているのかを調べることができ、怪我などを避けやすくなる。
身体能力テスト
これはアスリート寄りの話になるが、スマートウォッチを使うとさまざまな運動力スコアを計測することができる。VO2max(最大酸素摂取量)は代表的な計測値だが、それ以外にもいろいろな値を計測できるようになっている。
身体能力を高めていく場合、客観的な計測値がポイントの一つになる。スマートウォッチを使うと推測値ではあるものの、そうした客観値を得ることができる。一歩上のトレーニングをする場合は、ぜひ活用したい機能だ。