『ヤギと大悟』にも『霜降り明星の校内放送ジャック』にも、共通して感じるのは“温かさ”だ。その背景について聞くと、「自分が作る番組は、愛情を込めて納得できるものを毎回出すようにしているので、自然と温かさみたいなものにつながってくれているのかもしれません」と話す。
また、「番組のテーマ曲は、いつも自分なりのメッセージを込めて決めています。『ヤギと大悟』は、こういうご時世なので“とにかく笑えれば”とウルフルズさんの『笑えれば』。『校内放送ジャック』は、WANIMAさんの『ともに』に“進め君らしく心踊る方”という歌詞があって、生徒のみんなが心躍る方にどんどん向かって人生を楽しんでほしいという思いを勝手に込めました。それが届く人には届いて、温かいと言ってくれているのかもしれないですね」と感触を語った。
この2番組や、最近のヒット番組として例に挙げられる『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ)では、一般の人々を巻き込んだふれあいが描かれているが、それがコロナ禍でコミュニケーションが制限された多くの人の心を打ち、支持を受けているようにも感じる。
冨田氏は「少しでも心が通うのを感じられて、見ていただいた方の心に何か残るような番組を作っていきたいと思います」と、今後への意気込みを示してくれた。
●冨田大介
1980年生まれ、愛知県出身。立命館大学卒業後、04年に制作会社・シオン入社。『ナイナイサイズ!』『99プラス』『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)と一貫してナインティナインの番組を担当。企画・演出を務める『ヤギと大悟』(テレビ東京、21年12月放送)がギャラクシー賞の月間賞・21年度テレビ部門入賞となった。