■理想のアイドル像は…
――柏木さんは松田聖子さん、モーニング娘。さん、松浦亜弥さんと、長年アイドルに愛を注いでいますよね。その歴史を辿るなかで、「アイドル像」というもののイメージに変化を感じる部分はありますか?
自分自身が元々アイドルが好きで、理想があったこともあるのですが、私がAKB48に入った当時はまだ「アイドルとはこういうものだ」というイメージが少なからずありました。
でも、今は段々と幅が広がってきたと言いますか、従来の「アイドルは手の届かない存在」というイメージもあれば、SNSを活用することで個性を出せるようになったり、社会の変化とともにアイドルの世界でも、多様性が受け入れられるようになったんじゃないのかなと思います。
――AKB48内でも、柏木さんの“アイドル魂”は特に際立っていると、メンバーの方々が話されているのをよく聞きます。アイドル像のイメージに多様性が生まれるなか、柏木さんのなかでの理想とするアイドル像に変化はありましたか?
そうですね……アイドル界に色々と変化はありましたが、自分が思い描くアイドル像としては、ファンの方から「背中を押してほしい」「応援してほしい」というアイドルより、ファンの方が私のことを見て「頑張ろう」と思えたり、元気になれたりするような存在でありたいという思いはずっと変わらないですね。
――世間のアイドル像に変化はあれども、柏木さんが理想とするアイドル像は変わらないんですね。では最後に、『真夜中にハロー!~女の園は出汁の香り~』の見どころを教えてください。
アンジュルムの川村文乃さんと橋迫鈴さん、BEYOOOOONDSの西田汐里さんと山崎夢羽さんという、同期の皆さんの関係性を知っている人はもちろん、知らなかった人にもすごく伝わってくるものがあります。
また、「アイドルってこういうことで悩んでいるんだ」と思うようなアイドルの意外な一面みたいな部分も見えたり、「アイドルとは?」という深いところまで描かれていて、アイドルにあんまり興味がないという方にも、アイドルを好きになっていただけるんじゃないのかなと思います。
柏木由紀
1991年7月15日生まれ。鹿児島県鹿児島市出身。2006年、「第三期AKB48追加メンバーオーディション」に合格。翌年、AKB48劇場でのチームB 1st Stage「青春ガールズ」初日公演において、初代チームBの一員として公演デビュー。2021年、AKB48にとって結成以来初めて現役で30歳代を迎えたメンバーになった。