最後に、3世代にわたる物語に挑戦して良かった点について聞くと、堀之内氏は「100年を描くということの意味が、今の時代、すごく大事だったなと思っています」としみじみと語る。「僕が朝ドラにやりがいを感じているのは、朝にすごく素敵な物語を届けられたら、その日1日がすごく素敵なものになるような気がしているからです。そんな日が続き、そのように観てくださる人がたくさん増えたら、世の中がとても良くなっていくのではないか、また何かに貢献できるのではないかという思いがあります」
実際に『カムカム』の放送を待ちわびる声をSNSで見て喜んでいたそうだ。「金曜日の放送後に『もう月曜日が待ちきれない』とか『早く土日が過ぎないかな』といったコメントをTwitterで呟かれていたのを目にしたことがあって。月曜日は“ブルーマンデー”と憂鬱に思う方も多いのに、そんなふうに喜んでもらえるようなドラマができていると思うとすごくうれしくて。そういう楽しみをお届けして、多くの皆さんの生活が希望やエネルギーにあふれたものになるように寄り添っていくことが、朝ドラの使命だとも思っています」
さらに、「100年を描くうえで大切にしたことは、少なくとも100年前からずっと先人たちの営みが積み重なっていって、自分たちの今があるということを感じていただきたいという思いでした。すなわち、今の自分たちの行為や生き様が、これからの100年にもつながっていくということです。そう考えると、今という時間はものすごく貴重なもので、自分が今ここにいられることも奇跡のように思えますよね。そこを考えていただけたら、自分の生活や命を大切に感じてもらえるのではないかなと思いました」と話す。
「特に今、コロナ禍だったり、戦争が起きていたりと、今まで当たり前のようにあった日常が揺らいでいる世の中になっています。そういう時に日常の大事さ、愛おしさをテーマにした『カムカムエヴリバディ』を届けられたことに、運命的な導きを感じています。その結果として、多くの方に喜んで頂けたことは、チーム全員にとって大きな喜びです」
確かに、『カムカム』から元気や勇気、パワーをもらった視聴者は数多くいるはず。『カムカム』ロスが広がっているが、安子、るい、ひなたたちからもらったメッセージをかみしめ、新たな月曜を迎えていきたい。
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