また、ひなたはかつての恋人である五十嵐文四郎(本郷奏多)とは結ばれなかったが、彼女自身は仕事に生きがいを見つけ、人生を謳歌している。

堀之内氏は「2人が再会した時、五十嵐のほうはひなたともう1回寄りを戻そうというつもりは全然なかった。ひなたは自分の過去の思いに引き戻されそうになるものの、五十嵐から結婚すると報告されたあとで『ひなたは誰かいい人いるの?』と聞かれた時に『私は今は仕事が楽しい』ときっぱり答えました。過去ではなく、ちゃんと今と向き合うことで自分の本心がつかめたひなた。五十嵐にはそんなひなたがすごくかっこよく見えたと思います」と語る。

ひなたの名前の由来にもなった、ルイ・アームストロングの名曲「On the Sunny Side Of the Street(オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート)」のように、ひなたも文四郎もお互いにひなたの道をちゃんと歩けているようだ。

「結婚して幸せになる、という形だけがハッピーエンドではないと、個人的にも思っています。幸せの形は人それぞれであり、結婚しない生き方も今の時代は全然珍しくないし、結婚しなくても幸せな人は大勢います。そういう意味で、藤本さんも初めからそういうふうにひなたを描こうと決めていました。そこはすごく現代で大切な価値観だし、ひなたをより応援したいと思っていただけたらいいかなと思っていました」

ちなみに、何本か登場した歴代の朝ドラのなかで、ひなたが共感するところが多かったという『オードリー』(01~02)は、朝ドラとして初めてヒロインが結婚も出産もしないまま終わったというエポックメイキングな作品だったと、ナレーションで紹介された。