そして最も力を入れるというのが、【多彩な作り手とコラボレーションする挑戦的なオリジナルドラマ】だ。「BS松竹東急だからこそ見られるというものをいかに作っていけるか。そこが、今後視聴者の方に受け入れられて成長していくために、一番必要なポイントだと思っています」と位置づける。
それを踏まえ、「創意工夫を凝らした作品を、これまでテレビドラマをたくさん作ってこられている制作会社さんや演出家のみなさん以外にも、例えば舞台の演出や脚本をやられている方と新しい挑戦をすると、また別の作品が出来上がるのではないかという狙いもあります」と、“挑戦的”の意図を明かした。
開局記念スペシャルドラマとして放送する『夜のあぐら ~姉と弟と私~』(4月9日21:00~)には、井上真央、尾野真千子、村上虹郎、南果歩、手塚理美、岸部一徳というキャストがそろい、「一流の役者さんが我々の局の趣旨にご賛同して出演いただき、開局にふさわしい作品として、自信を持って放送できる作品に仕上がっています」とアピール。
レギュラーの連ドラも、月曜22時30分にグルメドラマ『いぶり暮らし』(4月4日スタート)、土曜23時にSF時代劇コメディ『家電侍』(4月2日スタート)と2枠を配置。『よる8銀座シネマ』を受ける月曜はファミリーで幅広い層が楽しめる作品、深い時間帯の土曜はエッジの立った作品をラインナップする枠と定義し、それぞれの色を出していく。
■走りながらシェイクスピア劇のセリフをしゃべるだけの番組
総合編成のテレビ局として、オリジナル番組はドラマに限らず、幅広いジャンルを展開。松竹グループならではの歌舞伎俳優の冠番組『松本幸四郎が沼る!!』(4月1日スタート、毎週金曜22:30~)、『松也Pの○○○』(3月29日スタート、毎週火曜22:30~)のほか、ゴルフ番組『ゴルフW』(4月23日スタート、毎週土曜21:00~)、知的エンタテインメント『号外! 日本史スクープ砲』(4月10日スタート、毎週日曜21:00~)、グルメ紀行ドキュメンタリー『発酵の里ニッポン』(3月31日スタート、毎週木曜22:30~)など、BSに親和性の高い50代以上の視聴者層をターゲットにした番組をGP帯でスタートさせる。
それ以降の時間帯は、平日では23時から大泉洋らが出演するバラエティ番組『1×8いこうよ!』(札幌テレビ制作)、23時30分からアニメを編成し、時間が深くなるにつれてターゲットを若年層にも広げていく形を採った。
土曜の深夜もそうした流れを踏まえ、若手の演劇を放送する“応援枠”として『週末ミライシアター』(毎週土曜24:30~)を放送。「若い才能による舞台をBS松竹東急が放送させていただくことで、次世代のクリエイターと局が一緒に成長していきたいという思いがあります」としている。
そうした中で、中村局長が「ぶっ飛んだ番組」と話すのが、『シェイクスピア・ラン』(4月3日スタート、毎週日曜23:00~)。この日曜23時は、「とにかくテレビで見たことのない面白いことに挑戦するというのをコンセプトにしました」とチャレンジ枠にし、社内で企画募集を実施した。
選ばれた『シェイクスピア・ラン』は、「毎回タレントさんや役者さんなどが、走りながらシェイクスピアの劇のセリフをずっとしゃべってもらうという、本当にそれだけの番組なんです」というシュールなもの。「マラソンもそうであるように、人が走ってる姿って引きつける力があると思うんです。これはちょっと話題になるのではないかと期待しています」と目論む。