緊張をほぐすのに大きな役割を果たすのが、MCのネプチューン。メンバーの人となりやエピソードをイジってあげたりすることで、出場する学生たちはみな笑顔になってからパフォーマンスに臨んでいる。

『力の限りゴーゴゴー!!』のほかにも、原田泰造の「ネプ投げ」で一世風靡した『おネプ!』(テレビ朝日)、堀内健の『ホリケンふれあい旅 にんげんっていいな』(同)など、一般人と絡みは昔から抜群で、「私が担当している『ネプリーグ』でも、初めてテレビに出てくる方や、駆け出しのアイドルの方がゲストでいらっしゃるんですが、その方たちに対しての気遣いが素晴らしくて。だからこそ『ハモネプ』が成立してるんだと思います」と絶大な信頼を寄せる。

さらに、「芸人さんって、ネタの番組とか大きな特番を収録した後、興奮してすぐ寝れないと皆さんおっしゃるじゃないですか。『ハモネプ』に関しても、堀内さんなんて『今日はもう帰れないよー!』と興奮しちゃって(笑)、それくらい入り込んでいるんです」といい、北口CPが19年に復活を申し出たときも、3人とも大いに喜んでいたそうだ。

  • 池田美優(左)とHIKAKIN (C)フジテレビ

そしてもう1人の大きな存在が、HIKAKINだ。かつて自身も出場者として参加していただけに思い入れが強く、19年に復活してから毎回ゲスト出演している。

「HIKAKINさんがいることの意味は、ただ出身者ということだけではないんです。彼に憧れてボイパを始めたという子がすごく多いので、HIKAKINさんの姿を見てすごく喜ぶ子もいるし、HIKAKINさんも今のボイパをすごく勉強してるので『YouTube見て知ってるよ』と声をかけてあげると、それはもううれしいですよね。HIKAKINさんは毎回、出場者に差し入れをしてくれるんです。自分のいる東京会場だけでなく、大阪会場の出場者にまで差し入れてくれるんですけど、みんな『もったいなくて食べられないから、持ち帰ります』って(笑)。本当に、高校野球の選手が大谷翔平さんに会うような感じもあるので、HIKAKINさんがそこにいる役割はすごく大きいです」

■技術向上の背景にYouTube

20年を超える『ハモネプ』の歴史の中で、アカペラの技術は大きく進化しているという。堀内が、よくHIKAKINに「ちょっとやってみてよ!」とリクエストしても、「僕の時代から相当技術が上がっているので…」と謙そんするほどだが、その背景の1つにYouTubeの登場があるようだ。

「今は出場者がみんな自分のチャンネルを持っていて、そこでパフォーマンスを披露しているんです。また、アカペラは自分の口だけでできるので、そのカッコいい演奏をYouTubeで披露すると、見ている人がすぐ真似できますよね。そこから、またアカペラをやってみようと思う人が増えていくということがあると思います」

  • ワルツにアレンジする横浜国立大学「夜にワルツ」

  • 民謡にアレンジする神奈川大学「六角節」

  • (C)フジテレビ

さらに、大会を重ねるごとにアレンジの手法も進化。「YOASOBIさんの『怪物』を披露したチームがあったんですけど、それを見たYOASOBIさんの公式Twitterが『まさにアレンジが“怪物級”。』『とても光栄です。』というようなツイートをしてくれたんです」と、アーティストも舌を巻くレベルになっている。今回もワルツから民謡まで、驚きのアレンジが披露されているので注目だ。