――お話を聞いていると、いろいろな思い出が詰まった芸能活動ですが、それぞれ振り返ってみてターニングポイントとなった出来事を教えてください。
NESMITH:やっぱり2008年の12月31日ですね。EXILEが「EXILE PERFECT LIVE 2008」のファイナルを札幌でやったのですが、そのライブの直後に「二代目J Soul BrothersのメンバーをEXILEに」というお話をHIROさんからいただきました。先ほど話したように、ATSUSHIさんとの関わりをはじめ、これまでのいろいろな出来事がその日にすべて一本の線で繋がった感覚になりました。あの日をきっかけに、いろいろな夢が広がっていった気がします。
橘: 2011年の東日本大震災ですね。僕がEXILEに加入して2年後に起こった悲しい出来事だったのですが、それまでの2年間は、いきなりアリーナツアーやスタジアムツアーなど、正直リアリティがなく、フワフワした感じだったんです。そんななか、震災が起きて、HIROさんを始め上のメンバーの方たちが、どうにかしようと必死に悩まれている姿を見て、楽しむだけではなくグループにいる意義や、自分にはなにができるのかということを真剣に考えるようになりました。あれから10年、まだいまだに考え続けている状態なのですが、自分にとっては、いろいろな意味で大きく変化した出来事でした。
TETSUYA:ケンチが話したように、EXILEに加入した直後から、あまりに目まぐるしく環境が変わっていったので、しっかりとした記憶がなかったんです。そんななかでも、天皇陛下の前で行ったパフォーマンスは鮮明に覚えています。あんな貴重な経験は二度とないと思いますし、孫の代まで自慢できることだなと。しかも僕らがずっと大事にしてきた振り付けがあるのですが、一番得意なダンスを天皇陛下の前で披露できたというのは、ダンサーとしては非常に大きなことでした。
岩田:だいぶさかのぼりますが、やっぱり僕は2014年の「PERFORMER BATTLE AUDITION」ですね。EXILEに入る前のことですが、メディアのカメラも入って密着していただくなど、自分のなかで大きく変わった出来事でした。いま20周年のお祝いにメンバーとしていられるのは、あのときのおかげですから。その意味では忘れられないですし、大きなターニングポイントだったと思います。
世界:僕もまったく同じです。あの武道館では、メンバーが発表される前に、EXILEと一緒に踊ることになっていて、リハーサルをやっていたんです。まだEXILEの方々をメンバーさんって呼んでいたぐらいで、顔もちゃんと見られなかった。そんななか、(岩田と)一緒に柱の影で他の人のパフォーマンスを見ていたのですが、彼が「あーそういう感じなのね」ってちょっとオラついた感じでつぶやいたんです。そのとき「やっぱり違うなこの人。スゲーメンタルだと思ったんです。この人と一緒にグループ入ったら安心だって(笑)。僕のなかでは衝撃でした」
岩田:俺、そんなこと言ってた? 全然覚えてない。でもかなりヤバくない?
世界:いやいや。その言葉で自分も一個スイッチが入ったのは間違いない(笑)。
橘:なんかすごく良い話だね。2022年はみんな、岩ちゃん見習ってオラオラで行かないとね(笑)。