高級キーボードとして非常に高い人気を誇る、東プレの「REALFORCE」シリーズ。その最新モデルとなる「REALFORCE R3」シリーズが、2021年11月に登場した。従来モデルのR2シリーズから約4年、最新モデルのR3シリーズがどう進化したのか見ていこう。
REALFORCEの魅力そのままに、初の無線対応を果たす
REALFORCE R3最大の進化となるのが、シリーズ初の無線接続に対応するモデルを用意したという点だろう。ユーザーからすると、REALFORCEシリーズは「有線接続があたりまえ」という印象が強いかもしれないが、以前より無線対応の要望は多かったはずだ。
従来同様にUSB接続のみ対応のモデルも用意されるが、R3シリーズ全20製品中16製品と、大半のモデルが無線接続対応を果たしており、この点は大いに歓迎できる。
利用する無線規格はBluetooth 5.0を採用。最大4台の機器を登録し、接続先を切り替えて利用できるマルチペアリングにも対応。複数台のPCやタブレットなどを登録しておけば、キーボードのショートカットキーで接続先を簡単に切り替えて利用可能となる。
今回試用した「R3HC21」はテンキーレスの無線接続対応モデルだったので、実際に複数のPCにペアリングして切り替えて使ってみたが、切り替えの待ち時間もかなり短く、軽快に利用可能だった。
もちろん、利用していて反応が遅いと感じたり、不意に接続が切れるといったこともなく、有線接続と全く変わらない感覚で利用できた。このあたりは当然の仕様ではあるが、無線接続で快適に利用できるという点は、ケーブルの取り回しを気にせず利用できるという点で、大きく利便性が高まったと感じる。
内蔵バッテリーではなく単3形乾電池を採用
無線接続対応ということで、無線を機能させるためのバッテリー搭載が不可欠となるが、R3シリーズでは内蔵型のバッテリーではなく、汎用の単3形乾電池2本を利用するようになっている。アルカリ乾電池、マンガン乾電池に加え、エネループに代表される充電池が利用可能。この点もかなりありがたいと感じる部分だ。
REALFORCEは製品寿命が非常に長く、内蔵バッテリー採用だと製品寿命よりも先に内蔵バッテリーの寿命が尽きる可能性が高いが、単三形乾電池であれば自由に交換できるため、寿命を気にする必要がない。
電池寿命は、アルカリ乾電池利用時で約3カ月となる。これは、4段階用意されている省電力設定のうち、もっとも省電力性の高いモードを利用した場合と思われるが、試用した範囲内では、最も省電力性の低いモードを利用しない限り、短期間で電池切れになることはないようだった。
また、無線接続対応モデルとはいっても、従来同様のUSBケーブルを利用した有線接続でも利用できるようになっている。キーボード後方にUSB Type-Cコネクタが用意されており、付属のUSB Type-C/Type-Aケーブルはもちろん、汎用のUSB Type-Cケーブルを利用した接続も可能。REALFORCEは、やはり無線ではなく有線で使いたい、という人にとっても安心だ。
合わせて、USB給電での利用にも対応しており、電池が切れた状態や電池を装着しない状態でもUSB給電で無線接続での利用が可能だ。
無線接続に対応したとはいえ、乾電池の採用でバッテリー寿命を気にせず利用できるよう配慮されていたり、有線接続での利用、有線給電での利用なども可能となっている点は、さすがREALFORCEシリーズらしいこだわりと感じる。