――川崎の歴史を語る上で欠かせないレジェンドとなる、2020シーズン限りで引退した中村憲剛さんから受け継いだものをあげるとすれば。

同じインサイドハーフなのですごく見ていましたけど、いい意味で無駄を省くというか、動き過ぎない。周囲からはサボっているように見えていて、実はものすごく考えてプレーしている。そこはすごく学びましたし、憲剛さんから教わった「止めて、蹴る」の重要性を2021シーズンも改めて感じました。その2つはこれからも大事にしていきたい。

――2021シーズンもいろいろと話をされたのでしょうか。

けっこう練習場にも来てくれて、それこそ東京オリンピックから帰ってきた時も「頭の切り替えがすごく大事だよ」と声をかけてもらいました。ピッチの上で100%のプレーをするためには、ピッチ外でのリフレッシュが大事なんですよね。僕自身もオリンピックから帰ってきてすごく苦しんだ中で、メンタル面の準備やオフの使い方といったピッチ外の部分を、憲剛さんから改めていろいろと学ばせてもらいました。

――大きく成長していく先には、2022年秋のカタールW杯も見据えていくと。

東京オリンピックの時もそうでしたけど、あまり先を意識しないというか。本当にひとつひとつの練習や試合をこなしていく先に、そういうものがあると思っているので。僕としては日々を全力で頑張っていきたい、という思いの方が強い。特にインサイドハーフというポジションは個人的な結果が、もっともっと上に行くためには必要なので。ゴールやアシストという目に見える数字の部分を、今は課題にしています。

――「もっともっと上に行く」とは、三笘選手や田中選手がひと足早く旅立ったヨーロッパの舞台で、再び切磋琢磨したいという思いも含まれているのでしょうか。

彼らが行ったから僕もどうこう、というのはないです。ただ、僕自身の成長のためというか、自分がどこまでできるのかが僕は楽しみでしかないですね。