――寺田さんは、12月12日のオンラインイベントをもって卒業されますが、その間際に写真集を出すことについてどう感じていますか?
卒業記念ではなく1st写真集として出させてもらいます。だから今回の撮影では卒業とか節目とか、そういうことにとらわれないで挑みました。ファンの皆さんにもそういう解釈で見てもらえたらうれしいです。
――ちなみに、卒業と引退を決意された瞬間は?
去年ちょうど白石麻衣さんの卒業ライブが行われたとき、私も来年の今頃には卒業しているのかなと思いながら参加していました。まったく同じ日(10月28日)、1年後にライブがあったのが自分自身、不思議な気持ちではありました。
――「乃木坂46のメンバーとして約9年、酸いも甘いも経験してきました。だからこそ写真からにじみ出る雰囲気、22歳寺田蘭世の生き様、自分らしさが伝わればと思います」とコメントされていましたが、乃木坂46で得たものとは?
14歳から乃木坂46で活動しています。学生生活をちゃんとしていないので、今から違う世界に飛び込んだら、自分の価値観が通用しないとか、いろいろあるかもしれません。それでも、ここで得たものは特別なものだと思います。年齢的にも、私にはもっと吸収する余地があると思うんです。だからあまり気にせず、でもここで得たもの、ファンの皆さんに評価してもらったことには自信を持って、ほかのことにも突き進んでいきたいです。
――今のご自身が思う、自分らしさとは?
「自分はこうじゃないか」と言葉で表現してきた時期もありました。乃木坂時代も、私自身「乃木坂らしさって何だろう?」と考えながら成長してきましたが、言葉で表すことができないんだなと、こういう経験をしてきたからこそ学びました。自分で「私はこうです」「こんなことができます」とアピールしても、誰かに響くけど、ほかの誰かには響かないということも学びました。こう達観できていることを素敵だなと思ってくれる人がいればいいなと。自分で「自分らしさとはこうです」とアピールするものではないということは、9年活動してきて学びました。
――なるほど……9年の重みがある発言ですね。乃木坂46のこれまでの楽曲でお気に入りは?
難しいんですけど、私のセンター楽曲の「滑走路」をいただいたときは、晴れ晴れとした気持ちになりました。たくさんセンター曲をいただきましたが、どれも一貫して強い女性を歌ったものとか、クールに振る舞わないといけないものとか悩むような曲もありましたが、「滑走路」は初めて前向きな感じがあって、すごくうれしかったです。今でも思い出に残る曲です。
――学びがあった先輩は?
いろいろ吸収させていただきましたが、今だからこそ1期生の皆さんが友達のように接してくれます。あんなに引っ張ってくれたりアドバイスしてくれたりした生駒里奈さんも「コロナが落ち着いたらご飯に行こう」と連絡をくださる仲になっています。先輩たちについては、おこがましいけど、大事な人として、友達みたいな関係でお互い高め合えたらいいなと思っています。