続いて、IIJ・圓山大介氏より、「音声通信の世界 ~IMSまでの世界」と題されたMVNOにおける音声通話について、技術的側面からの解説セッションが。

  • MVNO関係の技術開発を担当する圓山氏。IIJmio meetingには#26のPrivate LTEの話題以来の登場

音声通話には大きく分けてアナログ時代、デジタル時代、IP(パケット)時代と3つの世代があり、それぞれ電話機同士を繋ぐ「交換機」を通じて通話する。電話業界に興味のある人であれば、現在はIP交換機を使う時代ということはご存知だろうが、「VoIP」や「VoLTE」など、IPを使っているっぽい技術にも複数あり、どれがどんなものである、としっかり説明できる人は、よほどのマニアでもない限り少ないと思われる(かくいう筆者もよくわかっていない)。

  • 音声通話の歴史を大きく3つに分けて紹介。世界で見ればこの3世代が共存していることを考えると、整合性をとることの面倒臭さが想像できる

圓山氏によれば、歴史的にはVoIP→IMS(VoLTE)という順番になるとのことで、さらにSMSがここに加わる。中盤から後半にかけてはVoLTEのサーバー構成や接続手続き、ローミングの仕組みなどが紹介されたが、久々にヘビーな技術解説となった。とはいえ、音声接続はアナログ・デジタル・IPが複雑に絡む分野であり、またその手続きに必要な構成も非常に複雑なため、気軽に「フルMVNOで音声も使えるようにしてください」というのがためらわれる難易度であることは理解できた。

  • IMSのサーバー構成。略語も多いが接続関係を示す点線も多すぎる。丁寧に解説していただいたが、情報が頭に入り切らない