インターネットイニシアティブ(IIJ)は10月30日、オンライントークイベント「IIJmio meeting #31」を開催した。今回はスマートフォンのカメラにフォーカスした話題と、MVNOの音声サービスについての技術的な解説を中心に進められた。
まずは、前回(7月)から10月までのIIJmioの動向を紹介する「IIJmio update」が、IIJの堂前清隆氏から発表された。ここで、7月にリリースされたスマートフォン向けアプリ「My IIJmio」により発生した情報漏洩問題についての解説がなされた。
詳細についてはIIJmioのウェブサイトでも公開されているが、 IIJmioの料金プラン「ギガプラン」向けの同アプリにおいて、リリース直後に他のユーザーの契約情報が表示されるという不具合が発覚。約9時間後にサービスが停止されたものの、254人のユーザーがこの不具合の影響を受けてしまったという。9月には総務省から、個人情報や通信の秘密の漏洩で行政指導も受けた。
原因は、My IIJmioアプリ向けに用意したAPIサーバーの不具合ということで、現在はこの不具合を修正するとともに、アプリ開発担当部隊とは別のエンジニアで構成されたチームでソースコードからAPI設計、サーバーのキャパシティに至るまで再検討が行われており、現在は再開に向けて最終調整中とのこと。
問題が発生してしまったことについては残念で、また被害に遭われたユーザー諸氏にはお気の毒なことだったが、きちんと原因や解決手法が公開されているのは誠実な姿勢だと感じられた。今後はこうした問題が発生しないことを祈りたい。
この他の内容としては、キャリア各社のRCS(リッチコミュニケーションサービス)「+メッセージ」がMVNOでも利用可能になったこと、通話定額サービスでみおふぉんアプリ(プレフィクス)が必要な理由などが紹介されたほか、一部のiPhoneにおいて、eSIMとプラスチックSIMのデュアルSIM環境で緊急通報(110、118など)が利用できない問題についての説明があった。
この件については確定ではないが、データ通信専用回線と音声通信契約回線が混在している場合に発生するようだ。総務省もこの問題を把握し、10月29日付けで該当するiPhoneの技適認証を解除すると発表している。11月4日時点でAppleはこの問題について声明はないが、それまでは緊急通報を行う際に、一時的にeSIMを停止するなどの回避策が必要になるので、注意していただきたい。