最後に、村上の呼び込みで速水、菅田がふたたびステージにかけつけ、ここにX、スカイライダー、ZXの3人ライダーがそろった。

『仮面ライダー(新)』放送当時、村上と速水は第31話「走れXライダー!筑波洋よ死ぬな!!」第32話「ありがとう神敬介!とどめは俺にまかせろ!!」で共演して以来、ひさびさの再会となる。村上は速水との共演の思い出として「僕と速水さんが2人で並ぶ写真を撮るとき、カメラマンの方が『速水さんは岩場の高いところに立って』と言ったので、速水さんが『いやあ屈辱だなあ』って言っていたのが印象的でした(笑)」と語り、自身の身長が高いためツーショットが撮りにくかったことを懐かしそうに回想した。速水は村上の印象について「すごくさわやかで礼儀正しいし、また新たなスターが出てきたなって思ったよ。ただ、厳しい大野剣友会メンバーとのアクションは大変だっただろうなあって心配していました」と語り、撮影を重ねるごとに経験を積み、大きく成長していった村上を讃えた。

菅田と村上は『仮面ライダー』シリーズでの共演は一度もないが、『仮面ライダー(新)』の撮影合間に村上が『仮面ライダースーパー1』の主役候補として残っていたころの菅田のオーディション風景をメイク室から観ていたことを打ち明けた。村上は「大野剣友会の岡田(勝)さんから『高杉くんと菅田くん、どっちがよかった?』って聞かれたんです。あと『菅田くんは藤岡弘、に似すぎてるんじゃないかな』とか言っていた(笑)。あのときはオーディション結果に影響が出ると思って言えませんでしたけど、実は菅田さんがいいなって思っていました」と、当時伝えられなかった言葉をかけて、菅田を感激させた。また菅田は『10号誕生!』の撮影の際に共演した先輩ライダー(仮面ライダーV3/風見志郎役の宮内洋、仮面ライダースーパー1/沖一也役の高杉俊介、ライダーマン/結城丈二役の山口豪久)について「特に、山口先輩からはとてもよくしていただきました」と、山口が自分のことを気にかけてくれたとふりかえった。

最後の挨拶で速水は「私たちが出演していたころは、まさか『仮面ライダー』シリーズがここまで続くとは思っていなかった。今や、昔の仮面ライダーを観ていた人たちの孫世代が楽しんでいる。そして『仮面ライダー』から数多くのスターが生まれています。これはまだまだ続くんじゃないかと思うんですよ。僕ら40年、50年経ってもまだ仮面ライダーって言われるんだもんね。これ不思議なことだよねえ(笑)。こういう仮面ライダーの催しには、これからも足が動く限り出てこようと思いますので、これからも末永く応援してください!」と笑顔を見せ、仮面ライダーファンを深い感動に包んでいた。

菅田は「ZXは特番でたった一回だけのライダーでしたが、ずっと仮面ライダーの仲間に入れていただいて嬉しい限りです。村枝賢一先生のコミック『仮面ライダーSPIRITS』ではZXをメインで描いてくださっているのもありがたいです。弘明さんとは京都でお会いしたとき『ZX!』と声かけてくださったり、立ち回りを教えていただいたり、よくしていただいてます。自分にとってのベースというべき仮面ライダーに、感謝します!」と、自身を仮面ライダーZXとして盛り立ててくれる、すべての人たちへの感謝の気持ちを込めて挨拶した。

村上は「私の息子2人が幼稚園の年少、年中のころ『仮面ライダー(新)』を観て、私のことを尊敬のまなざしで見てくれる時期がありました。やがて小学校に入り、俳優というお仕事のことも理解するようになったんですけど、仮面ライダーに憧れた幼いころの感情は、心の奥底にずっと残っていて、弱い人や困っている人を助けるとか、世の中のためになることをするとか、そういった精神を心に植え付けられていくと思います。子どものころの思い出は非常に尊いものですし、それを大人になっても大事に持ち続けていれば、よからぬ道に進もうとしたときの『抑止力』になるんじゃないでしょうか。仮面ライダーは子どもたちの『心』を育てる役割を担っていると、強く信じています」と語り、これからも子どもたちが仮面ライダーに憧れ、正義のヒーローの魂を受け継いでいくことを強く願いつつ、まっすぐな眼差しを客席に向けた。

トークショーがいよいよ終わりを迎えようとしている中、村上に一度は断られた「変身ポーズ」を、MCがもう一度頼み込むことに。つめかけた多くの仮面ライダーファンたちの拍手も後押しとなったのか、村上も笑顔で承諾。ついにスカイライダー/筑波洋の変身が披露され、昭和ライダートークイベントを見事に締めくくってくれた。


『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』(C)石森プロ・東映
『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』
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