今後の芸能界を担うであろう“次世代のスター芸人”を発掘するお笑い賞レース『ツギクル芸人グランプリ2021』が、フジテレビで18日(15:30~ ※関東ローカル)に放送される。「地上波のゴールデン・プライム帯の番組レギュラーを持っていない芸人」という出場条件に加え、決勝審査の投票の半数を、民放キー5局のバラエティ番組担当スタッフが占めるというのが、この大会の大きな特色だ。
各局を代表して審査員を務めるのは、日本テレビ・橋本和明氏(『有吉の壁』『有吉ゼミ』ほか)、テレビ朝日・舟橋政宏氏(『激レアさんを連れてきた。』『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』ほか)、TBS・浜田諒介氏(『お笑いの日』『キングオブコントの会』ほか)、テレビ東京・小比類巻将範氏『そろそろ にちようチャップリン』『家、ついて行ってイイですか?』ほか)、フジテレビ・日置祐貴氏(『IPPONグランプリ』『まっちゃんねる』『人志松本の酒のツマミになる話』ほか)。
収録を終えた5人に、審査の感想、注目の次世代芸人、そしてこれからのバラエティに求められる芸人像などを聞いた――。
■ジャンルが混在…審査のポイントは
――漫才、コント、ギャグに、コンビ、トリオ、ピンと、ジャンルもメンバー構成もバラバラの中での審査は大変だったのでは想像するのですが、どんな基準で審査されたのでしょうか?
橋本:ファーストステージ3分、ファイナルステージ4分という短い時間の中でどうやってネタを組み立てて自分の空気を作っていくかというのが、すごく大変な大会だと思っていて、それを誰が一番うまくやっているのかなというのを見ていました。“ツギクル芸人”の皆さんって、番組に出たときに1~2分で空気を作らなきゃいけないという大変な状況が多いと思うので、空気を変える力ですね。それは演技であってもいいし、漫才のツッコミのトーンであってもいいし、ギャグでもいいのかもしれないけど、その“強度”みたいなことを審査するのがいいのかなと思いました。
舟橋:最初の設定でびっくりできるかというところと、どんどん展開していくかどうかという点を考えつつ、テレビ局から来ているので、テレビに出たときにどういう形で活躍できるかなというのを思い描いて選んだつもりです。もちろん、単純にどれだけ笑ったかというところも考えました。
浜田:“ツギクル芸人”というタイトルなので、ネタはもちろんなんですけど、強いワードや惹かれるキャラクターを見せてもらえるとか、ネタから派生していく幅を見せていただいた人に票を入れたほうがいいなと思って、面白さが競ったときは、そういう“ツギクル”というベクトルで見させていただきました。
小比類巻:皆さんと基本的には同じなんですけど、一緒にロケに出たいなとか、収録に呼びたいなとか、自分がやってる番組の現場に来たとき、ちょっとイジってあげたいなとか、そういう基準点も加味しながら選んでいたんですけど、1人だけ違う人に票を入れたときもありました(笑)
(一同笑い)
日置:基本はネタの面白さだけで選びましたけど、僕はネタ番組を担当していないので、同じくらい面白いなと思ったときは、「この人、どんな人なんだろうな?」ってもっとパーソナルな部分を知りたくなる人に票を入れました。
■自分の担当番組に呼んでみたい芸人は…
――今回の結果を抜きにして、MCとのトークなども見て、ご自身の担当番組に呼んでみたいと思った芸人さんは、どなたになりますか?
日置:金の国でネタを書いてる桃沢(健輔)さんは、きっと頭が切れると思うので、『IPPONグランプリ』や『IPPONスカウト』で大喜利がどれくらいできるのかなっていう興味がありますね。サスペンダーズの古川(彰悟)さんは『すべらない話』のオーディションによく来てて、僕はずっと面白いなと思ってたんですけど、他の番組でもネタを見る機会があってだんだん面白くなってるから、近い将来、収録でお会いするんじゃないかなと思っています。
小比類巻:『にちようチャップリン』というネタ番組をやっているので、大概の人は出たりしてもらってるんですけど、ゼンモンキーさんや金の国さんは、前に番組に出てもらったときよりもっと面白くなっているような気がしたので、そういう人たちはいいなと思いましたね。知らなかった人で言うと、4000年に一度咲く金指さんが、平場のトークが面白かったです。
浜田:『ザ・ベストワン』というネタ番組をやっているので、かなりの数の芸人さんをオーディションとかで見ているんですけど、金の国さん、モシモシさん、ダイヤモンドさんあたりは、ワンミニッツのコーナーで短いネタをやって頂いても面白いのかなと思いました。モシモシさんは女性1人、男性2人のトリオなんですけど、特に女性である必要がないネタをやっていたので、何か新しいトリオ形が見れるのかなと思いましたね。
舟橋:自分の番組は、『(爆笑問題&霜降り明星の)シンパイ賞!!』が終わっちゃうので…(笑)
日置:悲しくなるから!(※日置氏と舟橋氏は早稲田大学の先輩・後輩の間柄)
舟橋:でも、ポンループのアミさんはしゃべっている感じが聞いていて気持ち良いので、今後すごく愛される芸人さんになるのかなと思いました。個人的に、漫才師のツッコミの方が気になるんですけど、ママタルトの檜原(洋平)さんってすごい面白い目線を持った人なんだろうなっていうのがネタを見てて伝わって来るし、9番街レトロのなかむら(しゅん)さんも、個性的なキャラを持っている芸人さんなので、今後すごいコンビになりそうだなと見てました。
橋本:『有吉の壁』はやっぱりコント師が有利なところがあるんですけど、今回見てて、みんな設定とか演技がすごいなと思いましたね。
――演技力すごかったですよね。
橋本:ちょっと集団で演技の学校でも通ってるのかなと思うくらい(笑)、異常に演技力のレベルが上がってないですか? あそこまで周りを想像させる芸人さんが次世代にたくさんいるというのは、結構びっくりしました。なので、金の国さん、モシモシさん、ゼンモンキーさんとか、ああいうコント師の人が『有吉の壁』に遊びに来てもらえると、楽しそうだなと思って見ていました。