女優の道を歩んできて約10年半。今につながっていると思う一番の転機を尋ねると、本格女優デビューとなったフジテレビの月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』を挙げ、「月9に出させていただき、しかもそこでショートカットに髪を切り、自分の中で衝撃的でした」と振り返る。

同ドラマの西浦正記監督との出会いは剛力にとって大きなものに。「オーディションのときから怖くて撮影中も厳しかったですが、愛情を持って指導してくださって、この人についていきたいと思って頑張りました。西浦監督がいなかったら、たぶんここまで役者を続けてなかったんじゃないかなと。土台を作っていただきました」と感謝し、「監督を納得させられるようになってから、またご一緒したいと思っています。まだできません(笑)」と語った。

ちなみに、女優を辞めたいと思ったことは「1回だけある」とのこと。「主演ドラマの現場があまりに良くなくて辞めたいと思ってしまったのですが、もう二度とこういう現場を作らないぞと、そう意識を変えました」。そして実際に、「みんなが楽しい現場を作りたいと常に心がけています」と、その経験を生かしている。

今後の目標を尋ねると、「とにかくお芝居することが好きで、自分がこうしたいというより、作品や監督のメッセージを伝えることがすごく好きなので、監督の期待に応え、それ以上のことができるような役者でいたい」と理想の役者像を説明。「笹野高史さんがすごく好きなんです。笹野さんがいると作品が締まるし、安心感がある。高畑淳子さんや、滝藤賢一さんもそうですが、私もそういった地に足の着いた役者になって、ずっとお芝居を続けられたら幸せです」と語った。

昨年9月に独立したことで、「覚悟はより強まりました」とも。「それまでは守ってもらっていた部分が大きかったですが、今はすべて自分の責任になりますし、守っていかなければいけない存在もいるので」。今まで以上に覚悟をもって女優業を突き進んでいる剛力。初のミュージカル、一人二役への挑戦も多くの人に見てもらいたい。

ミュージカル『#チャミ』は、9月9日から21日まで、東京・自由劇場にて上演。

■剛力彩芽
1992年8月27日生まれ。神奈川県出身。2008年から2013年まで、雑誌『Seventeen』の専属モデルとして活動。2011年の本格的な女優デビュー作となったドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)を機に注目される存在に。近年はドラマ『家政夫のミタゾノ』(2018)、映画『新 デコトラのシュウ 鷲』(2021)、舞台『No.9 -不滅の旋律-』などに出演。