Preview編でパッケージやカード構成はご紹介したし、それ以前に構成などはこちらでご紹介したので、いよいよ性能の比較である。今回は競合としてGeForce RTX 3060とGeForce RTX 3060 Tiを用意した。以前こちらの記事で利用したもの、そのままである。
ベンチマークテストの環境
テスト環境は表1に示す通りだ。以前GeForce RTX 3070 Tiを試した時には、一部ゲームで解像度によってはCPUネックになっているケースもあったが、さすがにこのグレードのGPUでその心配はないだろう。なお、Resizable BARは有効としている(Radeon RX 6600 XTだけでなくGeForce RTX 3060/Tiも)。
■表1 | ||
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CPU | Ryzen 7 5800X | |
M/B | ASRock X570 Pro4 | |
BIOS | P5.10 | |
Memory | Micron 16ATF2G64AZ-3G2E1(DDR4-3200 16GB CL22)×2 | |
Video | ZOTAC Gaming GeForce RTX 3060 TwinEdge OC NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti FE |
BIOSTAR Radeon RX 6600 XT |
Driver | GeForce Driver 471.41 DCH WHQL | Radeon Software 21.8.1 Jul30 Non WHQL |
Storage | Seagate FireCuda 520 512GB(M.2/PCIe 4.0 x4) (Boot) WD WD20EARS 2TB(SATA 3.0)(Data) |
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OS | Windows 10 Pro 日本語版 21H1 Build 19043.111 |
BIOSTAR Radeon RX 6600 XTのスペックであるが、GPU-ZによればGame 2539MHz/Boost 2589MHz駆動、Memoryは2000MHz(GDDR6 16Gbps)となっている(Photo01)。またPower Limitは最大20%ということで、TBPは定格160Wだから最大192W程度まで引きあがると予想される(Photo02)。ちなみにPhoto01で配線がx8相当になっているが、実際コネクタ部を見るとx8しか配線されていない(Photo03)。もっともこのグレードの製品の場合、PCIe x16が必要か? というと微妙なところ。OpenCLとしてアクセラレータをガンガン使う、というのであればPCIe x16が欲しいが、そもそもNavi 2はそうした使い方に向いてないし、GPUとして使うなら別に帯域はそこまで必要ない(せいぜいがTextureのロードに余分に時間が掛かるので、ゲームのスタートまでの時間が若干増える程度である)。
なおBIOSTAR Radeon RX 6600 XTについての感想を述べれば、騒音が馬鹿にならない大きさである。音程は低いので、適切なケースに入れてやれば気になることはないが、ケースに収めずに平組み状態でテストしていると、ちょっと気になる騒音レベルで、連続使用はかなり厳しいと感じだ。勿論負荷状態に応じてこまめにファンが止まるので、ゲームとかを使うのでなければまるで問題はないのだが。
ということで前置きはこの辺りにして、性能比較をご紹介したい。なおグラフ中の表記は
3060 :ZOTAC Gaming GeForce RTX 3060 TwinEdge OC
3060 Ti:NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition
6600 XT:BIOSTAR Radeon RX 6600 XT
と表記している。また本文中の解像度表記もいつも通り
2K :1920×1080pixel
2.5K:2560×1440pixel
3K :3200×1800pixel
4K :3840×2160pixel
とさせていただいた。
あと今回は、GPUの生の性能を比較したいという事でDLSS/FSR共に無効で利用している。なので、DLSSなりFSRが利用できる環境においては、例えば2.5Kとか3Kの解像度を2Kの性能で利用出来るだろう。
◆3DMark v2.19.7225(グラフ1~4)
3DMark v2.19.7225
UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/3dmark
この原稿はすべてのテストを終わった段階で書いている訳で、その意味では全テストの結果を見たうえでの感想になる訳だが、この3DMarkの結果にすべてが集約されている気もしなくもない。
グラフ1がOverallだが、WildLifeやNightRaid、FireStrike/FireStrike ExtremeなどではGeForce RTX 3060 Tiに追いつくとは言わないものの肉薄するスコアになっており、非常に有望そうな結果である。ところがFireStrike UltraやTimeSpyなどではだいぶ性能がGeForce RTX 3060に近づいており、そしてWildLife ExtremeやPortRoyalなどではGeForce RTX 3060に及ばない、といった結果になっている。これは別におかしい訳でもなんでもなく、GeForce RTX 3060/3060 Tiに比べると性能が動作環境の影響を受けやすい、というのがRadeon RX 6600 XTの特徴といえる。
逆順になるがPhysic/CPU Test(グラフ3)は、何しろ同じCPUでテストしているだけにもう差はまるでなく、なのでグラフ1の結果は主にGraphics Test(グラフ2)に起因するものとなる。まぁそれでもCombined Test(グラフ3)では随分Radeon RX 6600 XTは健闘していると言えなくもないが。
◆SuperPosition v1.1(グラフ5~11)
SuperPosition v1.1
Unigine
https://benchmark.unigine.com/superposition
もう一つSynthesis BenchmarkでSuperPositionを。設定は
Shadow Quality :High
Texture Quality:High
Depth of field :On
Motion Blur :On
とした。
さて、平均フレームレート(グラフ5)を見ると分かりやすいが、2Kでは確かにそれなりRadeon RX 6600 XTにアドバンテージがあるが、2.5K~4KではGeForce RTX 3060とほぼ変わらず、という結果になっている。これは最大/最小フレームレート(グラフ6・7)でも同じで、なるほどRadeon RX 6600 XTを"1080P High Refresh Rate Gaming"と称するのも納得である。実際フレームレート変動を見ても、2K(グラフ8)はちゃんとRadeon RX 6600 XTが分離しているが、2.5K~4K(グラフ9~11)ではGeForce RTX 3060とほぼ重なりあう結果になっている。