俳優の小手伸也が、TBS系日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(毎週日曜21:00~)で、麻酔科医の冬木治朗を好演している。数々の強烈なキャラクターを生み出してきた小手が、今回はクセの強くない穏やかな人物を演じており、新鮮に感じている人も多いのでは。小手にインタビューすると「ストレスが少ないのはむしろこっちです」と本音を告白。また、縁の下の力持ちである麻酔科医からバイプレイヤーの重要性を改めて感じ、「メインの人が輝けるように全力でサポートできる役者でありたい」と自身の志を再確認できたという。

  • 『TOKYO MER~走る緊急救命室~』で麻酔科医・冬木治朗を演じている小手伸也

本作は、「TOKYO MER」という救命救急のプロフェッショナルチームを舞台とする本格救命医療ドラマ。最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両(ERカー)で重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者にいち早く救命処置を施すTOKYO MERのリーダーで、驚異的な救命技術を持つスーパー救命救急医である主人公・喜多見幸太を鈴木亮平が演じている。

小手が演じる冬木治朗は、TOKYO MERの麻酔科医。麻酔科医はオペ中の患者の容態をコントロールする執刀医の右腕で、劇中で冬木が麻酔を施したり、患者の心拍数を伝えたりする場面が描かれている。また、メンバーを温かく見守るチームのパパ的な役割を担っており、ベトナム出身の看護師ホアン・ラン・ミン(フォンチー)が用いることわざに「難しい日本語知ってますね」と感心したり、医系技官・音羽尚(賀来賢人)の動きを怪しむメンバーに「仲間を信じましょう」と声をかけたり、チームの団結に欠かせない存在だ。

小手といえば、『コンフィデンスマンJP』の五十嵐役や『SUITS/スーツ』の蟹江貢役など、強烈なキャラクターの印象が強いが、今回は穏やかな役どころ。「僕はエキセントリックなキャラ、我が強い役をお願いされることが多いですが、今回はそういった部分が鳴りを潜めている」と小手は笑い、「チーム最年長ならではの落ち着きや安定感」を意識していると説明。「縁の下の力持ち的な役割なので一歩引いた感じというか、落ち着いて安心して見られる人物像を念頭に、できるだけ控えめにやらせていただいています」と語った。

また、役作りにおいて「自分との共通点を探すことを第一にしている」と明かし、冬木とは「共通点が多い」とのこと。「亮平さんと賀来くんは旧知の仲で、よく2人で体作りの話をしていて、菜々緒さんと中条(あやみ)さんとフォンチーさんの女子3人組は本当に仲良く常に3人で密着していて、その3人にいじられている佐野(勇斗)くん。僕は各々のグループを半歩くらい下がった距離感でにこにこ見ている」とキャスト陣の関係性を紹介し、「現場の状況がまんまキャラクターになっている」と話した。

自身に近しい冬木役はとてもしっくりきている様子。「ぐいぐいボケたりしなくていいので、面白いことを言わなきゃというプレッシャーもなく心地いい。全然無理していないので。そう言うと、今まで無理しているような感じになりますけど(笑)」と述べ、アクの強いキャラと冬木のような控えめな役とどちらが好きか尋ねると、「アクの強さを出すのは大好きなんですけど、コメディリリーフの使命感というか、正直ストレスが少ないのはむしろこっち(冬木)です。長澤まさみさんに無茶振りされたり、織田裕二さんにグイグイいじられたり、面白くなかったら抹殺されるみたいなプレッシャーを気にしなくていいので(笑)」と答えた。