◆F1 2021(グラフ13~19)

F1 2021
EA Sports
https://www.ea.com/ja-jp/games/f1/f1-2021

さてここからはゲームの比較であるが、今回は時間の関係もあり、6月に掲載したGeForce RTX 3080 Tiのレビューの中で、比較的CPUオーバーヘッドの傾向が明白なものを選んでご紹介することにする。ただF1のみ、2021年版がリリースされたので確認の意味も込めて実施してみた。

F1 2021の大きな特徴としては、ついにDirectX RayTracingに対応したことだろうか? ただ相変わらず負荷は低めであり、そのあたりも丁度今回のテストに適している。

さて簡単にテスト方法を。メインメニュー(Photo20)から"Game Options"を選び、ここのSettings(Photo21)からGraphics Settings(Photo22)を選ぶ。Graphics Settingsの中(Photo23)では、まずVideo Mode(Photo24)を選び、解像度の選択を行う。そのあと再びGraphics Settingsに戻り、描画オプションなどを選んだあとで、Video Modeの下にあるBenchmark Mode(Photo25)を選択。ここで"Run Benchmark Test"を実施するとベンチマークが開始され、終わるとResultが表示される(Photo26)という仕組みだ。

  • Photo20: もちろんRay Tracing対応以外にも色々変更点は多い。そのあたりは右上の"What's New for 2021"で確認できる。

  • Photo21: このメニュー階層が本当に必要か? は疑問が残るところ。

  • Photo22: ここはカスタマイズでメニューが増減する。

  • Photo23: なんかここがちょっとごちゃっとした印象。もっとも個人的に言えば、Video Setupの中身もここに統合してもらえると操作が楽なのだが。

  • Photo24: ここの設定項目などは割とおなじみ。

  • Photo25: デフォルトがバーレーンになった。ベンチそのものはF1 2019あたりからの、追い抜きが一切発生しない単調なもの(まぁその分数字が安定してくれるのだが)。

  • Photo26: 自動的に結果が保存されるのも変わらず。

ということでベンチマークであるが、今回は

  • 解像度:2K/2.5K/3K/4K
  • Anti-Alias:TAA
  • Detail Preset:Ultra High

とした。これにすると自動でRay Traced ShadowsとRay Traced RefrectionsもOnになる。ちなみにFSRあるいはDLSSへの対応は、現時点では存在しない。

  • グラフ13

  • グラフ14

  • グラフ15

  • グラフ16

  • グラフ17

  • グラフ18

  • グラフ19

ということで結果を。まずグラフ13が平均フレームレートであるが、Ryzen 7 5700Gを抜けば、実にCPUの性能が如実に示されている感じの結果になっている。逆に言えば、なんでRyzen 7 5700Gだと2.5K以降で急に性能がRyzen Pro 7 4750G並みに落ちるのかがさっぱりわからない(まさか8コアだとボトルネックになる、という訳でもなさそうだが)。これは最大/最小フレームレート(グラフ14・15)でも同じである。ちなみに、あまりに変なのでこれに関してはRyzen 7 5700Gは一度やり直したのだが、結果は同じであった。

フレームレート変動(グラフ16~19)も、Ryzen Pro 7 4750GとRyzen 5 5600Gは綺麗に分離しており、もうCPU性能がボトルネックになっているのは明白なのだが、だとするとなんでRyzen 7 5700Gの性能が妙に低いのかがさっぱり判らない。ただこうした傾向が出たのはこのF1 2021だけだったので、ゲーム側との相性問題という可能性もある。将来のUpdateでは傾向が変わるかもしれない。

◆Hitman 3(グラフ20)

Hitman 3
IO Interactive A/S
https://www.epicgames.com/store/ja/product/hitman-3/home

ベンチマーク方法はこちらのHitman 3の項目に準じる。設定は

  • 解像度:2K/2.5K/3K/4K
  • Level of Detail:Ultra
  • Texture Quality:High とした。
  • グラフ20

というわけで結果(グラフ20)であるが、これはもう非常に判りやすい。Ryzen 5000Gシリーズにすることで、2Kで10~15fps強、4Kでも5fps程度の上乗せが実現するわけで、これは明確にCPU性能の違いとして良いかと思う。

◆Horizon Zero Dawn(グラフ21~27)

Horizon Zero Dawn
SIE
https://www.jp.playstation.com/games/horizon-zero-dawn/

ベンチマーク方法はこちらのHorizon Zero Dawnの項に準じる。設定はクオリティ優先とした。またOCATでフレームレートを取得している。

  • グラフ21

  • グラフ22

  • グラフ23

  • グラフ24

  • グラフ25

  • グラフ26

  • グラフ27

こちらもCPU性能が露骨に出るベンチマークであり、実際平均フレームレート(グラフ21)を見てもそうなった。ちなみにM/BやOS Version、Display Driver Versionなどが異なるので同一で比べるのは危険であるが、以前Ryzem 9 3900XにGeForce RTX 3080を組み合わせた結果も、大体平均フレームレートが140fps前後だったことを考えると、Ryzen 7 5700Xの性能はRyzen 9 3900Xとそう違わないレベル、と考えられる。

話を戻すと最大/最小フレームレート(グラフ22・23)も概ねCPU性能を反映した感じになっている。フレームレート変動(グラフ24~27)も、3K/4Kでは(もともとグラフの変動が多いこともあって)見分けがつきにくくなっているが、2K/2.5Kでは、特にRyzen 7 5700Gが頭一つ抜けている感じがあり、性能差が確認できると思う。

◆Metro Exodus Enhanced Edition(グラフ28~34)

Metro Exodus Enhanced Edition
4A Games
https://www.metrothegame.com/

ベンチマーク方法はこちらのMetro Exodus Enhanced Editionの項目に準じる。設定は

  • 解像度:2K/2.5K/3K/4K
  • Preset:Ultra

とした。なおRay TracingはHighだがDLSSはOffとしている。

  • グラフ28

  • グラフ29

  • グラフ30

  • グラフ31

  • グラフ32

  • グラフ33

  • グラフ34

さてグラフ28が平均フレームレートだが、もう2KのスコアがそのままCPU性能の差という感じである。2.5K以上はGPUがボトルネックになっているのは、まぁ判りやすい。おそらくDLSSを有効にすればもう少し性能差が高い解像度まで広がると思うが、今回は別にそうした結果を見たいわけではないのでこれで十分である。最大/最小フレームレート(グラフ29・30)も傾向は同じく。フレームレート変動を見ると2K(グラフ31)だけ明確に分離しているが、あとは太めの1本の線、という感じになっているあたりも判りやすい。

余談だがこのMetro Exodus Enhanced Edition、内蔵GPUでも実施しようとしたら見事にエラーで動作しなかった。Enhanced EditionではないただのMetro Exodusでは動作するので、これはEnhanced Editionで強化した部分がモロに引っかかった格好だ。そんなわけで内蔵GPUでのテストは無しである。

◆Watch Dogs:Legion(グラフ35~41)

Watch Dogs:Legion
Ubisoft
https://www.ubisoft.co.jp/wdlegion/

ベンチマーク方法はこちらの"Watch Dogs:Legion"に準ずる。ちなみに設定は

  • 解像度:2K/2.5K/3K/4K
  • Quality:Ultra
  • RT:High
  • DLSS:Off

としている。

  • グラフ35

  • グラフ36

  • グラフ37

  • グラフ38

  • グラフ39

  • グラフ40

  • グラフ41

結果であるがもう平均フレームレート(グラフ35)が判りやすく、2Kでは見事に性能差が出ている。ただこの先はGPUネックになってほぼ性能差が見られないが、逆に言えばセオリー通りの結果ということになる。平均フレームレートで2Kで10fps近く、というのは結構大きな差といえる。

最大フレームレート(グラフ36)は2.5Kあたりまで差があるが、最小フレームレート(グラフ37)でバラつきがあるのは2Kのみ、というあたりはやはり実質的には2Kのみが性能差が明確に出る格好だろうか。実際フレームレート変動を見ると2K(グラフ38)では明白なのが、2.5K(グラフ39)だと開始20秒程度と最後の10秒程度、つまり描画負荷が軽い時だけ性能差があり、重くなると殆ど差が出ない。3K・4K(グラフ40・41)はもう太目の1本の線、といった格好だ。