――今は同じネタで勝負されているとのことですが、アレンジすることはあるのでしょうか?

毎日、「あ~い とぅいまて~ん」をやることしか考えていなくて、ネタを変えることは考えていません。仕事ない日は家で素振りして、仕事があるときはライブなどで一生懸命「あ~い とぅいまて~ん」をやって。素振りは1日28回以上やっているので、年1万回はやっています。毎日毎日一生懸命やり続けることが大事かなと。

――1本でいくと決意してからずっとブレずに?

最初の頃は、「同じことばっかやってんじゃねーよ」「ほかのネタ考えろ」とか言われましたが、自分の人生なので自分のやりたいようにやろうと思ってやり続けています。

――続けてきて、周りの反応は変わりましたか?

先日、ムーディ勝山さんから「これが正解だったかもしれない」と言われ、変わってきているのかもしれないです。でも、僕は生きているうちに売れようとは思っていないんです。たぶん足りないですね。今もう45歳だから。でも、お笑いは死んでからもできるというか、動画などは残っていくので、死んだあと30年後とか50年後に「あ~い とぅいまて~ん」が流行ればいいかなと。ゴッホと同じです。

――でも、できれば生きている間にという思いがあるのでは? すでに再び注目されていて、テレビ出演も増えていると思います。

テレビはまた呼んでもらうようになりましたね。

――生活も変わりましたか?

変わりました。謝罪代行を始める前はギリギリの生活でしたが、今は正直、余裕あります。無料だと変な依頼が来るかもしれないと吉本から言われてお気持ちとして謝礼をいただいているのですが、けっこうくださる方もいて。コロナでストップしていますが、テレビに出演させてもらったり、「17LIVE」を始めたこともあって、生活は安定しています。自分のギャグが人のためになればということしか考えてないので、結果的にそうなった感じです。

――ルミネで大スベリしたときにとっさに生まれた「あ~い とぅいまて~ん」が、人生をかけたギャグに。偶然生まれたものがそうなるとは、面白いですね。

そうですね。養成所の時から「とぅいまて~ん」に近いことは言っていて、それがもっと特徴的な感じでとっさに出たのだと思います。「あ~い とぅいまて~ん」には感謝していますし、もう息子みたいな感じです。

――最後に今後の目標を教えてください。

人生の目標は、みんなが「あ~い とぅいまて~ん」をやってくれることです。僕が死んでから30年後くらいに流行ってくれたらいいなと。流行るということは、自分のギャグが人のためになっているということだと思うので。

――謝るときに使ってもらったり?

はい。そういう場面でも活用してもらって、みんなが笑ってくれたらうれしいです。

■ですよ。
1976年2月12日生まれ、東京都出身。NSC東京校7期生。「あ~い とぅいまて~ん」のギャグで知られ、2007年に『エンタの神様』(日本テレビ)でブレイク。2019年から謝罪代行を始めて話題に。また、同年よりライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」を始め、100人以上の吉本芸人が参加した「イチナナ-1グランプリ」で総合グランプリに輝いた。