――活動の柱となっている「あ~い とぅいまて~ん」はもともと、ルミネtheよしもとで大スベリしたのがきっかけだそうですね。

そうなんです。初めてルミネに出演したときに、ショートコントをやったらシーンとしてしまい、謝っちゃえと思って「あ~い とぅいまて~ん」って言ったらウケて。そこからです。

――そのギャグを引っ提げ、『エンタの神様』でブレイクされましたが、当時はいかがでしたか?

『エンタ』に出ていた期間は5カ月と短かったので、あっという間に終わってしまったという感じです。反響はすごかったですけど。サッカー留学を失敗したので親にはお笑いやっていることを言ってなかったのですが、『エンタ』に出た次の日に父親から電話がかかってきて、「お前はもしかして、ですよ。か?」って。

――すんなり応援してくれましたか?

はい。応援してくれました。

――『エンタの神様』卒業後の変化も教えてください。

『エンタ』に出なくなってからは地獄でした。今思い返しても真っ暗です。『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)が始まって、エンタ芸人ではなくレッドカーペット芸人のほうに仕事がいってしまった感じで、すごく焦っていました。当時はコンテンツがテレビしかなかったので、テレビの人に気に入られようと必死でした。

――吉本さんは劇場もありますし、営業もあるのかなと思いますが、テレビ出演が減っている時期はそういった活動に力を注がれていたのでしょうか。

そうですね。ライブは好きでしたし、営業も行かせてもらっていました。やはりお笑いが好きというか、自分のギャグで人に笑ってもらいたいという思いはずっとありました。

――芸人を辞めようと思ったことは?

2008年あたりはずっと悩んでいて、辞めようと思ったこともありました。

――どのように乗り越えたのでしょうか。

悩んでいた2008年の秋頃に、友達の結婚式の2次会でネタをやってくれと言われて、今ずっとやっている「ヤドカリさんだと思ったらチョココロネだったんだYO! あ~い とぅいまて~ん」をやったら全然ウケなくて、知らない参列者から「全然面白くない。これじゃあご飯食べていけないでしょ」と言われたんです。それが悔しくて、芸人を続けて今世はこれだけでやっていこうと決意しました。

――その言葉で心が折れてしまうのではなく、もう一度頑張ろうと奮起されたんですね。

そうですね。テレビの方から「違うネタないですか?」と言われることもありますが、「ないです」と答えて、これ1本でやっています。