――飛羽真や芽依たちは「八犬伝の世界」にも行きますが、そのときには衣装も時代劇風に変化しています。いつもと違った感じの衣装についてはいかがでしたか。
立ち回りをしても落ちてしまわないよう、しっかりと頭に固定するカツラを被っていたのですが、撮影中に頭の中がかゆくなっちゃって、あれは大変でした(笑)。被ったらそのままで、ひんぱんに着脱しませんでしたから。
「八犬伝の世界」では、シンケングリーン/谷千明役・鈴木勝吾さんと、キラメイブルー/押切時雨役・水石亜飛夢さんが「剣士」となって仲間に加わります。勝吾さんは『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)の放送終了後、10年ぶりにグリーンを演じられたそうなんですが、変身アイテム・ショドウフォンの使い方をしっかり覚えていて、すごかったです。「10年ぶりだけど、すぐできた」って、ご自分でもビックリしていましたから。
そんな勝吾さんがとてもカッコよかったので、僕も10年後くらいに神山飛羽真として『仮面ライダー』の世界に帰ってくることができたら、練習もせずにサッと火炎剣烈火を振るって変身し、周りを感心させられたらいいなと思いました。
――映画に登場するスーパーヒーローの中で、内藤さんがかねてから“会いたかった”ヒーローはいましたか?
『仮面ライダー電王』が大好きでしたから、決戦場で電王の姿を見つけたときは興奮しましたね。福くんと一緒に「電王だ~~!!」と喜んでいました。4人のイマジン……モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスが「西遊記の世界」で活躍していたので、そっちに行きたかったなって思ったくらいです(笑)。撮影の最後、イマジンたちにもお会いできたので、記念写真を撮りました。嬉しかったな~(笑)。
――ストーリーの重要な箇所で、ワンカット長回しによる非常に印象的な場面があるとうかがいました。撮影時の苦労話があればぜひ聞かせてください。
台本の「6ページ分」をワンカット長回し、グリーンバックのステージでまる1日かけて撮りました。午前中は場当たりやリハーサルをずっとやっていて、昼休憩の後、午後から撮影開始。セリフの量も多く、途中で間違ったりしたらNGなので、ぜんぶで20テイクくらいは撮ったでしょうか。撮影中、僕たちが芝居をしている後ろで、スタッフさんが必要な小物を置いていくんですが、移動するカメラにスタッフさんの姿が映ってもいけないし、僕たちも彼らのことが見えていない前提で芝居をしないといけませんし、すごく大変でした。トータルで12時間くらいかかったのではないでしょうか。
これから先、もうこんな凄い撮影を体験することはないんじゃないかと思うくらい、最高の思い出になりました。映画では飛羽真が「大人になったルナ」と初めて出会いますので、そのときの飛羽真の表情や心の動きを、ぜひじっくりご覧ください。
――仮面ライダー1号/本郷猛役・藤岡弘、さんと共演したとき、どのような思いを抱きましたか。
50年前に活躍されていた伝説的ヒーローの仮面ライダー1号と共演することができるというのは光栄である一方、ものすごいプレッシャーを感じました。現場では、藤岡さんの人間の大きさに助けられることがたくさんありました。最後の場面で藤岡さんが語る“言葉”は、映画に観に来てくださる大人の方から、小さな子どもたちにまで、めちゃくちゃ響くと思います。最高の映画をお楽しみください!