積極的に電動化戦略を推し進めているグループPSAジャパン。同社ではプジョーとDSでフルEV(電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)が導入されているが、シトロエンブランドに今回、初のPHEVとなる「C5エアクロスSUV PHEV」が加わった。フル充電で65キロのモーター走行が可能との触れ込みだが、電気で走るシトロエンの乗り味はどうなのか。さっそく試乗に連れ出し、240キロほど走ってみた。

  • シトロエン「C5エアクロスSUV PHEV」

    シトロエン初のPHEV「C5エアクロスSUV PHEV」(本稿の写真は撮影:内田俊一)

3つのパワートレインが選べる「C5エアクロスSUV」

「C5エアクロスSUV」は、シトロエンブランドのフラッグシップに位置づけられるモデル。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンにPHEVが加わり、3つのパワートレインがそろったことになる。そこで、以下のように違いを表にしてみた。

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    パワートレインによる「C5エアクロスSUV」の違い

ボディサイズはすべて共通ながら、車重はガソリン、ディーゼル、PHEVの順に重くなる。特にPHEVは、ディーゼルより200キロ、ガソリンより300キロほど重いことを覚えておいていただきたい。

出力関係を見ると、ガソリンとPHEVでは出力は同じだが、トルクはPHEVの方が50Nm大きい。ここにモーターが加勢するので、数値だけを見ると、PHEVには相当力強い走りを期待したくなる。燃費はガソリンとディーゼルの中間がPHEVというイメージだが、実際にはモーターのみでの走行が加わるので、航続距離はさらに伸びるはずだ。

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    数値からは力強い走りが期待できそうな「C5エアクロスSUV PHEV」

ひとつのクルマに複数のパワートレインを用意するのがグループPSAジャパンの電動化戦略だ。「外見は同じなので、お好きなパワートレインをどうぞ」というスタンスである。パワートレインはガソリン、ディーゼル、ピュアEV、PHEVがあり、ピュアEVは街中がメインとなるコンパクトモデルに、PHEVは長距離にも頻繁に出かけることを想定してミディアムクラス以上に設定している。従って、このC5エアクロスSUVもPHEVが選択されたわけだ。

ここで走行モードについても触れておきたい。C5エアクロスSUV PHEVには「エレクトリック」「ハイブリッド」「スポーツ」の3つのモードがあり、駆動用バッテリーに電力が残っている場合は「エレクトリック」(電気のみで走行)がデフォルトとなる。電力がなくなると「ハイブリッド」に切り替わり、減速時に蓄えた電力は次の発進や加速時に使ってガソリンの消費を抑える。「スポーツ」はエンジンによる走行がメインとなり、電力消費を抑制するモードだ。シフトアップスケジュールやステアリングのパワーアシスト量もコントロールされ、よりスポーティーな走りのイメージが感じられるようになる。

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    走行モードはセンターコンソールのスイッチで変更可能