――『ウルトラマントリガー』撮影現場の雰囲気はいかがですか。
キャスト全員が家族みたいな感じで、朝「おはようございます!」と挨拶したときから撮影が終わるまで、みんなひたすら元気フルMAXで、とにかくにぎやかな現場です。GUTS-SELECTの司令室・ナースデッセイ号のシーンで隊員みんなが集まるんですけど、常にアグレッシブでエネルギッシュ。ちょっとパワーが足りなかったりしたら、周りの人たちにすぐ食われてしまいますから、僕も負けないようにいつも元気いっぱいで撮影に臨んでいます。
――寺坂さんから見たマナカ ケンゴとは、どんな人物ですか。
「スマイル、スマイル」が合言葉のケンゴは常に明るさを忘れず、誰にでも優しく、いつも周りのみんなを笑顔にしたいと思っているんです。誰かのために一生懸命になるって部分においては、しっかりと芯を持っており、時には“熱い”部分ものぞかせる、まっすぐな青年なんです。
――ケンゴと寺坂さんの共通点はありますか。
行動する基準が自分じゃなくて「誰かのために」という部分がケンゴと似ているのかもしれません。この仕事を始めたとき、応援してくれた方や背中を押してくれた方、そしてどんなときでも励ましてくれる家族とか、みんなの期待にしっかり応えられるような俳優になりたい、と思って日々を生きてきました。そして、僕の演技を見た誰かが「元気」になってくれたらいいな、明日に希望を見出してもらえればいいなと願いながらやってきていますから、そういうところがケンゴとの共通点だと思っています。現在は第10話あたりを撮影しているのですが、最近ではケンゴと僕との内面的な部分も似てきたみたいで、共演のみんなから「アテ書き(あらかじめ俳優を想定した役柄)かと思った」って言われるくらいです(笑)。
――GUTS-SELECTメンバーの中で、寺坂さんはケンゴをどのように際立たせたいですか。
GUTS-SELECTはタツミ隊長(演:高木勝也)を筆頭に、個性的な人たちばかりなんです。役の上ではケンゴと対立するアキト(演:金子隼也)みたいな隊員もいたりして、いろいろな人間関係があります。そんな中で、ケンゴ自身がどんなことを感じ、どんな風に成長していくかがストーリーの見どころです。個性をぶつけあう隊員たちに囲まれたケンゴの心の動きや、行動の変化などを、エピソードが進む中でうまく表現していけたら……なんて考えています。
――隊員服を初めて身に着けたときの感想はいかがですか?
今着ているのがGUTS-SELECTのユニフォームなんですけど、これぞウルトラマンシリーズの「防衛チーム」だ!と思えるカッコよさがありますね。初めて着たときは「ああ、本当に防衛チームに入ったんだなあ」と実感でき、感動しました(笑)。衣装にも誇りを持ち、強い愛着を抱いています。
――変身アイテムのガッツスパークレンスを手にして、ウルトラマントリガーに変身するシーンを撮影されたときのお気持ちを聞かせてください。
いやあ、もう大感動でしたよ! 変身シーンは毎回劇中で使われる大事な部分ですし、子どもたちが「カッコいい!」と思ってくれないといけませんから、感動しつつも「しっかりやらなければ」と緊張感を持ちながら撮影していました。撮り終わった直後、坂本(浩一)監督が「ついに変身したね~!」って明るく声をかけてくださったことで、いっそう自信を持って「僕はウルトラマントリガーに変身したぞ!」と思えました。
――ガッツスパークレンスは銃形態「ハイパーガンモード」に変形するそうですね。巨大な怪獣に向かって銃を構えたときのご感想を教えてください。
撮影に入る前にアクション練習がありまして、そこで立ち回りと一緒に銃の撃ち方を教わりました。フィクションの世界にリアリティを持たせるため、どんな撃ち方をすればいいか教えていただいたのですが、自分でやってみると難しいんですよ。でも、難しいからこそ勉強だと思って、日々上手くお見せできるよう頑張っています。
観ている側から演じる側になったとき「こうやって撮っているのか」と知るんですけど、そこでスタッフのみなさんの技術へのこだわりや、映像にかける情熱にも気づかせてくれるんです。こんなにたくさんのスタッフさんの仕事が積み重なって、子どもたちに大きな夢を与える作品が出来ていくんだなあと、改めて感じました。
――実際には目の前にいない巨大怪獣に向かって演技をされるというのも、難しさがあるかもしれませんね。
お芝居をするときは、実際に自分の目の前に巨大な怪獣が現れて、大暴れしている様子を想像しています。想像力が鍵ですね。ビルよりもでっかい怪獣が暴れている、これは本当にヤバいぞという状況を頭に思い描き、神経を集中してやらないと、怪獣の迫力に人間側が負けてしまうんです。怪獣が出てきたときリアクションを取る人間のほうに力が入っていないと、とたんにウソっぽくなってしまいますから、常に全力を出しています。怪獣と絡むシーンでは、エキストラの方々が参加してくださるんですが、みな気持ちを込めて全力で怪獣から逃げてくださっています。僕もみなさんからのパワーを受けつつ、頑張ろう!と気持ちを新たにしています。
――メイン監督を務められる坂本浩一さんは、今や日本の特撮ヒーロー作品になくてはならない名匠として知られています。スピーディかつパワフルなアクション演出を得意とする坂本監督の印象はいかがでしたか。
いつもエネルギッシュで、本当にアクションを愛してやまない方なんだな~と思っています。僕たちに動きをつけるときには、直接「こうするんだよ」とお手本を見せ、愛をもってしっかりと指導してくださいます。
印象的なのは、合間に時間ができると、ずっとご自分で体を動かしているところ。その動きがまた鋭くて、すごいんですよ。キレのいいパンチやキックを“エアー”で受けて、空想上で何度も倒されました(笑)。
坂本監督はアクションのオーソリティーですし、これからもいろいろなことを学んで、吸収したいと思っています。僕もアクロバットを特技としていますので、ケンゴの成長に合わせて、アクションのクオリティを高めていきたいんです。「激しいアクションやってみたいです」って坂本監督に話したら「もちろん! やろうよ」と言ってくださいました。ぜひ坂本監督の得意とする「旋風脚」をマスターして、ケンゴのアクションに採り入れてみたいですね!