――タケル殿を演じた西銘駿さんとひさびさ共演されたご感想はいかがでしたか。

西銘は、以前とぜんぜん雰囲気が変わっていませんでしたね(笑)。でも、お芝居の表現力や、立っているときのたたずまいを見ると、あっ大人になったなって思うことがあります。彼本人も劇中のタケルと同じく、平凡な若者が「英雄」の力を借りて成長し、やがて立派なライダーになったんだなあと、密かに感激していました。格闘シーンとか、すごくカッコいいんですよ。撮影する直前まで僕といっしょにふざけていたはずなのに、戦いに入るとものすごくカッコいい。心ときめきました。

――カノン役の工藤美桜さんと共演されたときはどうでしたか。

工藤さんは当時女子高生だったのに、今では『キラメイジャー』ですっかり大人っぽく成長されて、印象がぜんぜん違いました。たたずまいが「女優さん」という感じで、アクションもしっかりこなされて、休憩中は僕にも優しく声をかけてくださいました。当時はおじさんと女子高生という関係ですから、どこかよそよそしいといいますか、もともとジャベルはカノンを誘拐したことがありましたからね……。『セイバー×ゴースト』ではジャベルも「カノン殿~~~!!」って叫んでいますし、良好な関係性を築けているんだなと、胸をなでおろしています。

――ジャベルは今回「腕っぷしの弱さ」が徹底されていて、デザストやカミーユに顔面を殴られ、鼻血を出しながら後ろにバッタリ倒れるという体を張ったギャグも飛び出しましたね。

あのカットも楽しかったです。でも、後ろ向きにバッタリ倒れるのって、難しいんですよ。坂本監督はアクションシーンでめったにNGを出さない方なんですが、ジャベルの倒れ方にはすごいこだわりを見せてくださって、「ヒザを曲げずに倒れてほしい」という要求に応えるべく、数回テイクを重ねました。

――ジャベルの新境地を開かれた『セイバー×ゴースト』、聡太郎さん的には、どんな手ごたえを感じていらっしゃいますか。

正直、どうやればよかったのか"正解"は最後までわかりませんでしたね。ジャベルなりに頑張って、大天空寺で生きてきた結果、あのような男になったと解釈していただきたいですし、どんなにジャベルが弱くなっても、『仮面ライダー』ファン、『仮面ライダーゴースト』ファンのみなさんの心の片隅に存在を留めていただけたら、うれしい限りです。

――もしも今後『仮面ライダーゴースト』スピンオフの企画が立てられるとしたら、どんな役柄で出演してみたいですか。

それはもう『仮面ライダージャベル』しかありませんね。おにぎり眼魂で変身。いつの日か仮面ライダーになりたい。それはこれからずっと言い続けていこうと思っています。ジャベルはもともと第9話で登場し、第15話あたりでクランクアップ(撮影終了)するはずだったんです。それを僕が「死にたくありません!」と言い続けた結果、復活することができまして。そうこうしているうちに生身の体になり、高橋さんからも「こんど死んだら終わり」なんて言われて、ドキドキしながら最後まで芝居をしていたんです。そうしたら、見事最終話(第50話/特別編)までジャベルが退場せずに出られることになり、しかもタケルがカメラ目線で「君の思いを未来につなげ!」と語りかける後ろで、ジャベルも満面の笑みで映ることができたんです。このとき、「言い続ける」のは大切だな~って、改めて感じました。今後のこともありますので、「聡太郎、仮面ライダーに変身を希望」とか、ぜひ見出しとして使っていただければうれしく思います。どうぞ、よろしくお願いします!!

(C)東映特撮ファンクラブ (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映