俳優の加藤清史郎が、現在放送中のTBS系日曜劇場『ドラゴン桜』(毎週日曜21:00~)で、東大進学を目指す特別クラス・東大専科の生徒・天野晃一郎を好演している。優秀な弟と常に比較され劣等感がしみついていた天野だが、勇気を出して東大受験を決意し、合格に向けて奮闘中。そんな天野をどのように演じているのか、役作りや撮影裏話について、加藤に話を聞いた。

  • 『ドラゴン桜』天野晃一郎役の加藤清史郎

2005年に放送された『ドラゴン桜』の15年後を描く続編となる本作は、元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部寛)が、偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園の再建を目指し、元教え子の弁護士・水野直美(長澤まさみ)とともに、生徒たちを東大に合格させるために奮闘する物語。東大専科の生徒を、高橋海人(King & Prince ※高ははしごだか)、南沙良、平手友梨奈、加藤、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太が演じている。

幼少期から芸能界に身を置き、2009年にCMで演じた「こども店長」が視聴者の心をつかみ、国民的子役となった加藤は、その後もドラマや映画、舞台などで活躍。3年間のロンドン留学を経て日本に戻ってからは、大河ドラマ『麒麟がくる』をはじめ、ドラマや映画で成長した姿を見せ、『ドラゴン桜』でも話題に。SNSで「こども店長がめちゃくちゃ成長してる」「イケメンに成長したな~感慨深い」「加藤清史郎くんさすがの演技力」といった声が上がった。

加藤は、演じる天野と考え込んでしまう性格が似ていると言い、だからこそ桜木の言葉が自身にも響き、影響を受けているという。また、阿部や長澤、生徒役のキャストからも刺激を受けているそうで、「役者としても人間としても成長できる場」と語った。

――まず、『ドラゴン桜』への出演が決定したときの心境をお聞かせください。

合格したという話を聞いたときはうれしかったですが、それよりも頑張らないといけないなというプレッシャーが大きかったです。あの『ドラゴン桜』、あの日曜劇場に参加させていただけるというのは本当に光栄なことですし、飛び跳ねて喜ぶというより、「よしっ頑張るぞ!」と噛みしめるような喜びでした。

――台本を最初に読んだ時の印象はいかがでしたか?

普通のドラマの1時間の分量とは比にならないくらい台本が分厚くて、「これが『ドラゴン桜』、日曜劇場か」という感覚になりました。また、桜木節がたくさん書かれていて、今の時代に当てはまる的確な教えだったので、確かにそうだなと納得しました。そして、桜木先生が天野に対してどういうことを言うのかなと思ったら、まさかの海に落とすという、予想もできない桜木先生のメソッドに驚かされました。

――天野を演じるにあたって意識していることを教えてください。

天野は、優秀な弟を持ち、お母さんもその弟をすごくかわいがっていて、それがきっかけで自分に自信が持てず、考え込んでしまう性格。そんな彼がどういう風に東大受験や、桜木先生、そして天野自身と向き合っていくかというのが一つの見どころになっています。見てくださっている方の中にも天野と同じ思いをしている方がたくさんいると思っているので、天野に感化されて自分もやりたいことを頑張ってみようと思っていただけるとうれしいです。僕も天野としっかり向き合わなければいけないと思って撮影しています。

――天野とご自身との共通点はありますか?

引っ込み思案というのは僕とは違うなと思いますが、僕もけっこう考え込んでしまう性格なので、そこは天野と似ていると思います。だからこそ桜木先生が天野に言うセリフが加藤清史郎にも響いている。考えることもとても大事だと思いますが、考え込みすぎるというのは、本来の自分の思いを殺してしまっていることだと思うので、大胆さや思い切りの良さも大事にしなきゃいけないなと、僕も天野を演じながら常日頃感じています。

――演じていて難しいと感じることは?

弟やお母さんという障害があり、そっちを意識しすぎてしまいがちですが、天野も普通の高校生で、やりたいことや好きなことがあるので、天野の中にある“挑戦してみたい”という気持ちも大切にしないといけないなと思っています。弟の影響で自信がないというのも天野の個性ではあるので、そこも大事にしつつ、普通の高校生であることも忘れずに天野として生きていきたいと思って演じています。