この番組のルーツは、前身を含めて28年目になる東海ローカルの長寿グルメバラエティ『PS純金』(毎週金曜19:00~)。東海地方の飲食店を紹介していくと、驚くほどのサービスをしてくれる店主がたくさんいたことから、「“すごすぎて笑える”ということに気づいたんです」(加藤氏)。
名古屋と言えば、喫茶店のモーニングでトーストにとどまらない豪華なサービスメニューが付いてくることで有名だが、そうした店が東海地方以外にもあると考え、全国ネットの特番『ウマい!安い!おもしろい! 全日本びっくり仰店グランプリ』を放送。この好評を受けて、『オモウマい店』としてレギュラー化された。
加藤氏は「取材先の方と深く接するという関係性で進めていく作り方は、地域に密着したローカル局ならでは。だからこそ、このパッケージの開発につながったのかなと思っています」と解説。それだけに、放送エリアが広がったことで、「作り方やスタンスを変えるのも違うかなと思うんです。全国ネットだから特段肩の力を入れるということはないですね」と強調する。一方で、「Twitterなどでも反響をすごくいただくようになったので、身が引き締まります」と励みになっているそうだ。
■爆笑するヒロミ&小峠らに伝えていること
キー局が制作する番組と違って、編集面でもオリジナリティを発揮。まず、極端にナレーションが少ないことが挙げられる。その狙いを聞いてみると、「ナレーションはディレクターや(放送)作家さんが書くので、番組側がコントロールしている部分だと思うんですが、ロケですごくいいものがたくさん撮れているので、それだけで構成していったら、ナレーションを多く入れなくても大丈夫なのかなと思っています」(加藤氏)とのこと。
調理シーンでは、工程の説明をナレーションで当てるより、店主が説明しているのであればそれをそのまま使用。“おいしそう”といった感想も、ヒロミや小峠英二(バイきんぐ)らスタジオ出演者たちのリアクションを使ったほうが「臨場感がある」という判断が働いている。
ヒロミや小峠、そしてゲストの面々も、VTRを見てのリアクションや爆笑が、他の番組に比べてひと回り大きな印象を受けるが、出演者に対しては「視聴者と同じように、家でテレビを見ている感覚でお願いします」とだけ伝えているそうだ。